映画.com より(以下一部抜粋)


>第24回東京国際映画祭コンペティション部門の審査員が10月23日、会場となる東京・六本木ヒルズのムービーカフェで会見した。審査委員長を務める映画プロデューサーのエドワード・R・プレスマンを筆頭に、映画プロデューサーのキース・カサンダー、女優のファン・ビンビン、小林政広監督、特殊メーキャップアーティストのレイコ・クルックの5人が顔をそろえ、審査に向けての意気込みを語った。

東京国際映画祭、審査員選びに苦戦「震災の影響ある」

 審査基準についての話題が挙がると、各自がそれぞれの“映画観”をぶつけ合い、熱い論議を展開。プレスマン審査委員長は「私はこれまで、さまざまな作品のジャンルを作ってきましたが、そのジャンルをゴムのように引き伸ばすような作品が見たい」と口火を切ると、カサンダーは「映画は技術的な面がうまく調和したときに、初めて作品になると思う。ですから、中世を舞台にした映画なのに役者の髪型などのディティールが出来ていないと、私はもう全部がだめだと思ってしまうんです」と明かした。

 女優のファンは、「もし映画がひとりひとりの感情を動かし感動を与えてくれたら、作品として成功だと思う」とやんわりと疑問を呈したが、クルックは、「でも感情を引きだすには、テクニックが必要。製作現場では、観客の感情を引き出すために、私も含めてスタッフ全員が技術面で苦労をしています」と経験談を交えて語った。

 小林監督は、「それぞれの製作現場の事情は異なると思う。時間やお金をかければ、それなりの映画になると思いますが、僕らつくり手側は、一度見たら死ぬまで心に残るものをつくるべき。そういう作品を見たいと思っています」とまとめた。

 グランプリ作品は30日に開催されるクロージングセレモニーで発表される。コンペティション部門に入選した15作品の中から、最高賞にあたる東京サクラグランプリ受賞が授与される。