Movie Walker より(以下一部抜粋)
>「外に逃げれば良いのに2階に逃げる」「デカパイの女の子は必須キャラ」「『すぐに戻る』と言ったヤツは帰れない」。数々の“ホラー映画あるある”を逆手に取ったスピーディーな展開で、熱狂的なファンを集めた『スクリーム』シリーズ。11年ぶりとなる新作『スクリーム4 ネクスト・ジェネレーション』が、10月29日(土)より公開される。
【写真】おなじみの質問、「好きなホラー映画は?」と聞くと、『スクリーム4』と!
10年前に起こった連続殺人事件。生き残ったシドニーは、トラウマを克服し、作家として成功していた。再び故郷へと戻ったシドニーだが、彼女の帰郷を機に女子高生が惨殺される。
シリーズのメガホンを取るのは、『エルム街の悪夢』など80年代ホラーブームの担い手の一人、ウェス・クレイヴン監督。シドニー役を演じるネーヴ・キャンベルなど、おなじみキャストも堂々スクリーンに復活する。そこで監督に直撃インタビュー。気になるシリーズの行方に迫った。
人気シリーズ久々の登場に、ファンの期待も高まるはず。プレッシャーはなかったのだろうか。「今の時代に合った新鮮なものを作り出すという、自分に課したプレッシャーしかなかったよ」と監督。大事にしたのは、“また見たい”と思わせる要素だった。「ファンが何を求めているかを知り、オリジナリティと意味のあるものを作りたかった。そのためにはこの10年間作られてきたこのジャンルの作品を分析し、本質を見極めなければならなかったんだ。10年ぶりの新作が普通では合格点が出ないこともわかっているからね」。
とかく続編は難しいと言われるホラー映画の中で、本シリーズが魅力を保ち続けている秘訣を尋ねると「ネーヴ、デイヴィッド、コートニー演じる心臓部のキャラクターたちが変わらず登場し続けること。彼らが歳をとり、恋に落ちたりと、成長する姿をずっと見続けることができる。彼らはこの映画のハート、魂だよ。1人か2人は殺しちゃおうか、と検討しながらだったんだけどね」とニッコリ。
「そこに、全く新しい息吹を吹き込む新キャストたちが絡み合う。今回も、エマ・ロバーツやヘイデン・パネッティーアなど、才能ある役者と仕事ができた。次のジョニー・デップを発掘するような気持ちで次世代のスターになる素質を持ったキャストを選ぶのが楽しいんだ」と続ける。
ホラーを研究し尽くし、その魅力を存分に知るからこそ作り出せた本シリーズだが、ホラーを撮り始めたきっかけを聞くと意外な答えが返ってきた。「元々、僕の家庭は信仰上、ものすごく厳格で。映画は悪だと言われて育ってきた。教師になってから、ようやく映画を見るようになって。当時は1960年代半ばでニューシネマ全盛。すっかり映画に恋しちゃったんだ」。
彼はこれまでの鬱憤を晴らすかのように映画へ傾倒していく。「教師を辞めて、映画の仕事を求めてニューヨークに渡った。そこで怖い映画を作りたがっている人がいると知人に聞いてね。9万ドルの予算を全部任せるからって。安く仕上げるために、脚本・監督・編集まで自分でしたよ(笑)」。
その作品こそカルト的人気を誇るデビュー作『鮮血の美学』(87)だが、それからもなぜか求められるのは“怖い映画”ばかり。「皆が喜んでくれるものを、と思って作り続けていたら、気付けば40年経っていたんだ。撮り続けるうちに、ホラー映画の持つ絶対的な狂気の部分にすっかり魅了されてしまった」と笑う。
早くも続編の噂が浮上しているが、最後に真相を聞いてみた。「『4』が喜んでもらえて、成功すれば、本作が新たな3部作の始まりになりえる。3部作を3本撮りたいという気持ちでもいるんだ。そうなると、200歳にはなっちゃうんだけどね(笑)!」
知性とユーモア、サービス精神にあふれた監督は、まさに彼の作風に重なるかのよう。是非劇場で、そのパワーを存分に楽しんでほしい。
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