Movie Walker より(以下一部抜粋)
>1930年代のナチス政権下のドイツを舞台に、抑圧された時代に生きる一人の大学教授の苦悩と葛藤、信念を描く『善き人』のポスタービジュアルが公開された。
【写真】ヒトラーに小説を気に入られたことから予期せぬ人生を歩む文学教授を演じるヴィゴ・モーテンセン
原作は1981年に52歳で他界した英国の劇作家、C・P・テイラーの遺作となった舞台劇。一人の善良な人間が、時代の波にひきずられ、意図せぬ方向へ流されていく様を描いた重厚な人間ドラマだ。自分と家族の命を守るか、それとも友情と信念を貫くかで揺れる主人公の葛藤を見つめながら、何もしないことが大罪になってしまう過酷な状況と、そこに追い込まれていく主人公の苦悩をあぶり出す。
ナチス党員として生きる自分と、モラルとの狭間で葛藤する主人公ジョン・ハルダーを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。『ロード・オブ・ザ・リング』(02)の寡黙な戦士アラゴルン役でブレイクした後、『イースタン・プロミス』(08)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた彼は、詩や写真の分野でも活躍するハリウッドきっての知的演技派だ。本作では、その持ち味を文学教授という役どころで遺憾なく発揮している。煙草を持つ指の動きさえも美しいと思わせる仕草の繊細さと、ジョンの内面の奥深い葛藤をとらえた入魂の演技で観客を魅了することだろう。
ジョンの親友でユダヤ人の精神分析医モーリスを演じるのは、『ハリー・ポッター』シリーズのルシウス・マルフォイ役でおなじみのジェイソン・アイザックス。ジョンの教え子で二度目の妻になるアンには、ピーター・オトゥールと共演した『ヴィーナス』(07)のヒロイン役で鮮烈なデビューを飾ったジョディ・ウィテカー。ジョンをナチ党に引き込む検閲委員長のボウラーを、『ロビン・フッド』(10)と『シャーロック・ホームズ』(10)の悪役ぶりが記憶に新しいマーク・ストロングが演じている。
本作『善き人』の公開日は2012年1月1日(日)。1月1日に映画が公開されるのは、2005年の『カンフーハッスル』以来、7年ぶりとなる。