ドリームワークスの日本人クリエーターが若者たちにエール!ブラピ声優のアニメが日本未公開なのに恨み節も!?

シネマトゥデイ


>21日、秋葉原のデジタルハリウッド大学で公開講座「現役アニメーターが語る 海外CGプロダクションへの道」が開講され、ハリウッドでアニメーターとして活躍する原島朋幸氏が、クリエーターを目指す学生たちを前に講演を行い「動かしたい通りにアニメーションが動いたときうれしくて堪らなくて、自分にはこれしかないと思った」などアニメーション製作の醍醐味を語った。また自身が手掛け、ブラッド・ピットが声優を務めるアンチヒーローものアニメ映画『メガマインド(原題)』が日本未公開であることを嘆く一場面もあった。

 デジタルハリウッド大学を卒業した後に渡米し、世界でもトップを争うアニメーション製作会社「ドリームワークス アニメーション」でキャラクター・アニメーターとして活躍する原島氏は、日本でも公開された『マダガスカル』『ヒックとドラゴン』など数々のヒット作に携わった経歴を持つ。同氏は昔から「ピクサー、ドリームワークス、ディズニーのどれかで働きたいと思っていた」と世界トップクラスのアニメ会社に入りたいという大きな夢を持っていたといい、「普通の大学を出て日本でサラリーマンをやっていたのですが、自分は何をやりたいのか迷っていた。そんな時、最初ビジュアルエフェクトに興味を持ち、この大学に入学しました。その後、セガなどで仕事をしながら作品を海外に送りチャンスを狙っていた」とハリウッドでアニメーターになるため、まずは日本で努力したことを語った。

 そのうち、「海外にいる人間を採用することはめったにないから、海外に行った方が、100倍チャンスがある」と感じたという原島氏。しかし、「海外の学校と書類のやりとりしている最中にちょうど米国の同時多発テロが発生してしまい色々と中断したりもしました」と様々な逆境があったという。しかし、それでもあきらめずに、語学留学の形を取り渡米。その後入学したアートスクールで、「ピクサーのアニメーターが講師を務める「ピクサーコース」の存在を知り、「そこで学びながら自分の作品のデモテープを各製作会社に送っていました」と明かした。基礎となる部分は、いまはライバル会社ともいえる「ピクサー」から学びつつ、作品を作り続けたのだという。そんな努力のかいがあり、ついに「ドリームワークスから来ないかと誘われ」世界有数のアニメ会社に入社したのだという。

 この日は、「3年くらい帰国していなかったので、1か月有給をもらってきました」と休暇の合間に本講座を受け持ったことを明かし、「ドリームワークスでは年間2本から3本の映画を製作、公開するスケジュールになっています。春には『カンフー・パンダ2』が公開され、『長ぐつをはいたネコ』がもう少しで日本公開される。そしていまは『マダガスカル』続編のアニメーションを作っています。日本では(公開は)2012年の夏か秋になるかな」とドリームワークス作品をアピール。一方で、「その前に製作した『メガマインド(原題)』というアニメが日本で公開されないと知った時はショックだった」と自身が携わりブラピが声優を務めるほどの大作アニメ映画の日本公開が見送られていることに、少々納得のいかない様子もみせていた。

 「いずれ10年、20年したら日本に帰ってきてアニメーションを教えたいという気持ちもあります」と若手育成にも興味があることを語った原島氏。最後に、「プロダクションの方が、最近の若い人は近い目標を持っている人が多いと言っていました。けれど、是非大きい目標をたてて欲しいです。過程をおろそかにしなければ目標に到達できると思います」と自身の講座に耳を傾ける若いクリエーターたちに、大きな目標に向かってほしいと、力強いエールを送った。


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