石井岳龍監督『生きてるものはいないのか』予告編が解禁!12年ぶりの長編映画はスゴ過ぎる!?ファンの期待に応える衝撃作!

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)


石井聰互改め石井岳龍監督の、実に12年ぶりとなる長編映画『生きてるものはいないのか』の予告編映像が解禁され、石井監督の作品であるとしか言いようのない本作の世界観が明らかになった。本作は、あやしい都市伝説がささやかれるとある大学を舞台に次々と謎の最期を迎える若者たちの姿を描いた作品だ。


 今回解禁された予告編で映し出されるのは、とある大学で何の変哲もない日常を送っているはずの若者たちの姿。だが、電車が停まったことを皮切りに、三角関係、兄妹の再会、アイドル大学生の悲劇、ボタンを押しても動かないエレベーター……と徐々に日常の歯車が狂っていく様子がテンポよく描かれ、映像の半ばでは、さまざまなシチュエーションで倒れる人々が。観ている人がいったい何が起こったのかと考える間もなく、疾走感あふれる音楽と共に作品の世界へ連れて行かれてしまうこの感覚こそが、まさに石井監督の真骨頂であったと思い出させてくれる仕上がりになっている。

 そして極めつけが、画面にでかでかと映し出される「これはパンクか、ただのギャグか」という文字。『狂い咲きサンダーロード』『逆噴射家族』の昔から、2000年公開の『五条霊戦記//GOJOE』に至るまで、まさに「パンク」という言葉でしか表現できない独自の世界観を持ち続けてきた石井監督ならではのキャッチーさは本作でも健在。予告編映像を観ているだけでも期待で胸が躍るファンは決して少なくないはずだ。

 悲劇の主人公となる18人の若者たちを演じるのは、オーディションで選ばれたという若手俳優陣。第68回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞したばかりの染谷将太、「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンピンクでブレイクした高梨臨をはじめとして、それぞれのキャラクターがそれぞれに一生懸命生きている様子は、予告編からでも痛いくらいに伝わってきており、そんな彼らがどんな死にざまを迎えるのかという興味が、物語をけん引しているのは間違いなさそうだ。

 名義を「石井岳龍」に変えてから初めての発表となる劇場用長編映画である本作。今でこそ、以前の「石井聰互」名義が持ち出されることが多いものの、この発表が世に出たあかつきには、もう「石井岳龍」という名前が浸透するに違いない。そう思わせられる力作となっている。(編集部・福田麗)

映画『生きてるものはいないのか』は2012年2月18日よりユーロスペースほかにて公開