Movie Walker より(以下一部抜粋)


>その過激な音楽性でティーンから往年のロックファンまで幅広い層から支持を受ける“ヘヴィメタル界の帝王”オジー・オズボーン。彼のおかしな家族の姿を映したMTVの人気番組「オズボーンズ」でメタルファン以外からも一気に知名度を広げた彼だが、その素顔に迫る音楽ドキュメンタリーの決定版とも言える作品が登場する。12月17日(土)公開の『オジー降臨』は、「オズボーンズ」にも出演していたオジーの息子ジャック・オズボーンが3年以上も父親の姿を撮り続けた、オジー初のドキュメンタリーだ。

【写真】ステージ上から観客を見下ろすオジーの雄姿。再結成したブラック・サバスの初来日も期待!

彼の知名度をここまで上げたのは、キャッチーなメロディに彩られたその音楽性もあるが、やはり数々の奇抜なパフォーマンスによるところも大きい。黒魔術をモチーフにしたヘヴィ・メタルバンド、ブラック・サバスでの活躍はもちろん、同バンドを解雇されて、自身のバンドを率いてからのエピソードはさらに過激だ。レコード会社の記者会見で鳩の頭をかみちぎり、ステージ上では観客から投げつけられた本物のコウモリの首をかみ切るなど、奇怪なパフォーマンスがロックキッズの熱狂をかきたてた。彼の2枚目のアルバム「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」のタイトルのような“狂人(=マッドマン)”ぶりが評判を呼んだのだ。

それだけだと、「オズボーンズ」での変なおじさんそのままだが、ヒット曲を連発し、バンドの初代ギタリストである故ランディ・ローズや、その再来とも言われたザック・ワイルド、現メンバーのガスGなど、無名のギタリストを次々と発掘してくる手腕も彼が高く評価されている理由の1つ。本作では、一見、華やかなショービジネスの世界で彼が味わった数々の苦難が自身の口から語られる。ブラック・サバス解雇時にアルコール依存症に陥り、ギターヒーローとして人気絶頂期のランディ・ローズを飛行機事故で亡くし、さらに父親を失ったことから、彼は長年苦悩の日々を過ごすことなる。

後に二番目の妻シャロンや子供たちという家族の支えによって禁酒に成功するが、そんな天国も地獄も味わった彼ならではの波乱の人生は、そんじょそこらのフィクションよりよっぽど劇的である。一人の男の物語としても非常に含蓄のあるものになっているので、ロックファンだけでなくとも楽しめるはずだ。


Who killed Cock Robin?