産経新聞 より(以下一部抜粋)


> 今年の映画界は、10億円以上の興収を記録した作品が洋画22本(昨年19本)、邦画33本(同29本)と本数自体は昨年を上回ったが、100億円を超えるメガヒット作はなく、「厳しい1年」(大手映画会社役員)だった感は否めない。

 洋画は、100億円超えが3本あった昨年に比べて地味な印象で、目立ったのは96・7億円のシリーズ最終章「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2」ぐらい。ただ、日本映画製作者連盟は「昨年の上位3本はここ数年では健闘した方なので、今年は普通といえなくもない」とみている。

 3D撮影は88・7億円の「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉」などで用いられたが、ブーム自体は終わり、今後は3Dの必然性のある作品に絞り込む必要がありそうだ。

 邦画はアニメ映画「コクリコ坂から」が44・6億円で、昨年の「借りぐらしのアリエッティ」に続き、スタジオジブリ作品が2年連続1位に。2作品が同時公開された「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ」は、ほぼ同じ物語を視点を変えることで2作品に仕立てる手法で43・3億円を稼ぎ出し、根強いアニメ人気を印象づけた。

 実写では公開中の「ステキな金縛り」が22日現在で38・8億円に上り、40億円が見込まれるヒット。東日本大震災の影響で「笑える作品」への距離感がつかみにくい状況だったが、コメディーが受け入れられたことを興行面で示した