Movie Walker より(以下一部抜粋)
>12月の3週間の週末の興行成績は3週連続で前年比ダウンとなり、暗いムードだった北米ボックスオフィスも、21日から全米公開されたトム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(公開中)の大ヒットで一転。 公開7日目で8620万ドル、年明け2日までには1億4000万ドルに達すると考えられており、年末に向けて明るい兆しが見えてきた。
【写真】トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』は日米とも好調な滑り出し
また、12月16日から公開されている滑り出しは今一つだったロバート・ダウニー・Jr.主演の『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(3月10日公開)も公開3週目にして1億ドルに達するなど、最後のかき入れ時に巻き返しを図っている。
しかし1月の滑り出しからの不調が大きくたたったようで、その甲斐も虚しく、2011年の興行成績は105億8000万ドルだった昨年比マイナス3.6%となる102億ドルに落ち着きそうだ。
ハリウッド・レポーター誌などが報じたもので、観客動員数でみた場合、10億3390万人だった昨年に比べ、今年は4.4%ダウンの10億2800万人に減少。2002年のピーク時の10億5700万人から下降の一途をたどってはいるものの、この数字は、最も動員数が少なかった1995年の10億2110万人に次ぐ、16年来の低い数値となった。
興行成績が16年来の低い数字にならないのは、劇場チケット代そのものの値上げや、3D、IMAXシアターの普及によってチケット代金が高額になっているからだが、劇場動員数が減少傾向にあるのは、DVDやブルーレイなどの普及、不正ダウンロードも含めた、インターネットのダウンロードが可能になったことなど、映画鑑賞の方法が多様化したことが大いに関係している。
一方で、全世界で見ると興行成績はアップしているのに対してアメリカの興行成績がダウンしていることは、長引くアメリカの不況と急激なチケット代の値上がりによって、劇場は家族みんなで行ける気軽な娯楽施設ではなくなってしまったことも示す結果となった。
それでも『トワイライト』シリーズやいち早く大画面で見たいと思わせる『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』のような映画の集客力はまだまだ衰えていないことから、スタジオ側は、今後も観客を劇場に向わせる映画を作ることに力を注ぐようだ。
しかし「2012年もこの傾向が続けば、我々の期待を再思考する必要がある。最低値だった1990年代半ばとは違う世界に住んでいて、テクノロジーの変化が大きな影響を及ぼしていることを認めざるを得ないかもしれない」とHollywood.comのアナリストが語っており、2012年がハリウッド映画の正念場となりそうだ。