産経新聞 より(以下一部抜粋)


>貴族政治が混迷を極めた平安末期、本当の親を知らないまま、武士の新興勢力・平氏のもとで育てられた清盛は、養父・忠盛とともに海賊退治を行い、一人前のサムライに鍛えあげられる。人の心をつかむことに長けた清盛は、瀬戸内の海賊を束ね、やがて武士の頂点に立ち、そして日本の覇者となる。「平家物語」ではアンチヒーローとして描かれていた清盛に新たな視点でスポットを当てたNHK大河ドラマ「平清盛」。

 明日1月15日は第2回「無頼の高平太」が放送される。青年となった清盛(松山ケンイチ)は、ふたりの父を持つという数奇なさだめを知らされ、何者でもない自分にいらだって、賭場をうろつきまわっていた。人々はそんな平氏の嫡男をいつのころからか「無頼の高平太」と呼ぶようになっていた。父・忠盛は、それでも血のつながらない平太を嫡男として育てていて、弟の忠正(豊原功補)とは平太のことになると常に対立するのだった。そんな折、権力者として君臨し続ける白河法皇が出した殺生禁断令にそむいたとして、平太が兄弟のようにしたう瀬戸内海の漁師の鱸丸(上川隆也)の父・滝次(河原崎建三)が白河に捕らえられてしまう。

 今回は平家の棟梁・平忠盛の子として育つが、実は白河法皇の御落胤(らくいん)。その出自ゆえの葛藤を抱えつつ、下級貴族にすぎなかった武士として初めて正三位(公卿)となり、太政大臣にまでのぼりつめた平清盛役として出演する松山ケンイチ(26)のインタビュー・後編を掲載。清盛役に込めた思いを聞いた。(産経デジタル・上坂元)



 大河出演のきっかけは「ヤフーニュースの大河の記事を見て、作品そのものに興味がわいた」ことだそうで「特に家族のきずなというテーマにひかれ」自ら志願して出演が叶った。それは「自分の親が亡くなっていることにも気付かない人がいるというニュースを見て、この状況はいったい何だろう」と人と人とのコミニケーションが薄くなっていることに関して憂いがあったという。

 印象に残っているロケについて「岩手でゲリラ豪雨、広島と京都では台風にぶつかった」そうで「負荷を与えられた状況でお芝居すると自分が予期しなかったお芝居に見えると評判です」と逆境をものともせず演技している。時には「外の音が煩く全く音も聞こえない」という厳しい状況での撮影もあるという。そして「セットでの収録も大自然の中で体験した負荷を忘れることなく演技していきたい」と語る。

 また「集中するとご飯を食べられなくなるので、集中し続けるのではなく、休みの時にはちゃんと休んで、ジムに行ったりして体調管理しています」といい「寝ることが一番大事」といい「撮影はおさない(遅くならない)ようにしています」と笑った。

 ちなみに「清盛との共通点はない」と話す松山だが、「台本を読み続けているので台本にある清盛像に思考回路が似てきている」とも。そしてカラダ作りはきちんとやっているという。

 松山は大河ドラマの主役が決まり「不安な部分も多かった」というが、主役に決まってから「1年間で馬、弓、所作や武道だけではなく、舞のけいこもさせてもらって、世界観に入り込める状況になったそうで「清盛をやらせて頂く準備ができた」という。そして「台本を読み、お芝居をやらせて頂いて、はっきりと清盛を表現できていると感じると自信がついた」と話す。

 そして「現代では自分が何かしようと思っても、こういうものだからダメとか、パソコンで調べたりして自分でやらなくても分かってしまい、自分の経験や思いがない」といい「このドラマでそういうところを考えてほしいです」と語っていた。

アンチヒーローの意味がなんか違う……。