まるで音階を奏でるが如く美しく並べられたグラスの数々!
今しもコンダクターの手があがり、ワイングラス達が妙なる調べをきかせてくれそうですが……今回はコンサートではなくテイスティング。ワイングラスは楽器としてではなく、本来通りの食器としての役目を果たすのが努めなのでございます。
それにしても居並ぶグラス達のどれも美しいこと!
それもそのはず、リーデルは250年以上の歴史を誇るワイングラスのブランド。
お店の中もお洒落そのものです。
同じワインでも異なる形状のグラスで飲むと香りや味わいが変わるという事実に着目し、世界で初めてブドウ品種ごとに理想的な形状を開発したのがオーストリアのリーデルなのだそうです。
というわけで、今回は白2、赤2で全部で4種類のワインをグラスを変えて飲み比べてみようという趣向のテイスティングとなります。
でもさ、本当にグラスの形変えるだけでそんなにワインの味とか香りとかって変わるものなの?
話だけだと眉唾ものですよね、ここだけの話ですが。
いや、ほんと、アタシも実際に自分の舌で確かめるまでは半信半疑でした。
種類や温度によってワインの味が変わるというのはわかりますが、でも、グラスの形状によってだけでそこまで変わりますかねえ?
とはいえワインはデリケートな飲み物。
コルクを抜いてすぐと空気にさらしてからという差だけで味が変わるというのは自分でも体験してわかっていますから、ひょっとするとグラスが違えば味も違うというのも確かなのかもしれません。
そんな心構えでやってきたんですが、テーブルについてまずびっくり。だって「テイスティング」のはずなのに、どうみても「ガンガン飲むぞ」のこのセッティング。
こう、普通、「テイスティング」っていうと、ワインをほんのちょびっと口に含んでうがいするみたいにクチュクチュやって舌の上や頬の内側をころがして味を見極めたら、飲み込まずにぺってはき出すものだと思ってたんですよね。そのあと眉をしかめたまま産地やら生産年やら言ったり難しい顔して蘊蓄並べ立てたりしてさ。
そんな「テイスティング」だったらワイン全然飲めないからちょっとがっかりだな~、なんて思ってたんですよ、実は。
ところが案に相違してのこの「さあ飲むぞ」と言わんばかりのセッティング。
「えっ、なになに、飲んでいいの?」
とわくわくしてたら、セミナー講師のありがた~いお言葉が。
「これはグラス屋さんのテイスティングセミナーなので、普通のいわゆるテイスティングみたいなことはしないので、ワインはしっかり飲んで頂いて結構です」
とのこと。うひひひ、やったね♪
さて、いよいよグラステイスティングの始まりです。
まず講師がおっしゃるには、ここに置かれているグラスにはそれぞれ最もあったワインがあるということで、それぞれのグラスとワインのベストマッチをしっかり見極めるのが大事なのだそうです。
また、普通のテイスティングではワインの色、香り、味の三つをみるわけですが、グラステイスティングでは色の方はさっと色味を見る程度にしておいて、残る二つである香りと味の内、特に香りがグラスによって如何に劇的に変わるかを体験してほしいとのこと。
まずは2番のグラスから。
答えはこの次の記事で!