原作タイトルは「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」。
これは元々マザーグースで、本来は「Tinker, Tailor, Soldier, Sailor, Rich man, Poor man, Beggarman, Thief. (ティンカー、テイラー、ソルジャー、セイラー、リッチマン、プアマン、ベガーマン、シーフ)」となります。作品中で使われたのは5人分で、「ティンカー(鋳掛けや)、テイラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧乏人)、そしてゲイリー・オールドマンが演じたスマイリーがベガーマン(乞食)でした。ベガーマン、字幕でそのまま出てきてまるでラガーマンか何かのようでしたが、「乞食」とはたぶん出せなかったんだよね。
そういえば「裏切りのサーカス」は字幕の役名が全て翻訳の通りでした。英語の発音聞いてると「エスタヘイス」じゃなくて「エスタハース」だったり、「アレリン」じゃなくて「アレライン」だったり(さすが「コンスタンティン」を「コンスタンタイン」と発音する国!)、ギラムがグイラムだったり。
原作読んだ人間には親切な字幕でした。ん、アルウィンがちょっと違ってたかも。ポリャコフがポリヤコフだったかな? う~んベンの名前は呼ばれたのにマッケルヴォアは字幕に反映されてなかったような??? やっぱりもう一回見に行くか!
さて、映画では主役なので、ゲイリー・オールドマンを見分けられない人はいないと思ったので、その他の4人を見分けるのに「小男大男間男間抜け」としたわけですが、この中に無理矢理彼を入れるとしたら「眼鏡」ですかね。劇中、ゲイリー演じるスマイリーが眼鏡を新調する象徴的なシーンがあるんですが、眼鏡を変えることによって実際彼の見栄えが5割り増しぐらいにアップするんですよね。
さて、その「小男大男間男間抜け」の中からもぐら(二重スパイ)を探す役目を仰せつかったのがスマイリーなんですが、あの「レオン」のゲイリー・オールドマンがここでは普通。普通というよりむしろ「無」。自我を完全に消し去って、ただ「知」の機能のみになったゲイリーが素晴らしいのです。
彼がアカデミーにノミネートされた理由はきっとそれですね。あのゲイリーが、感情を暴発させる役をやらせたら右に出る者のないゲイリーが、繊細な感情の変化をつぶさに伝えることに長けたゲイリーが、本作では見事に己を無にしている。そこが評価(?)されたんですね。
ところでこの作品には「裏切りのサーカス」、小男大男間男間抜け&眼鏡のゲイリー・オールドマン以外にも私好みの英国人俳優がめっちゃたくさん出ておりまして、個人的に祭りあげちゃいたい一作でした♪ とにかくどの俳優さんも実に魅力的に撮って貰ってるんだもんね。
もぐら候補達に密かにティンカー、テイラー~の暗号名を与えたコントロール役はジョン・ハート。私つい2週間ぐらい前に「インモータルズ」の筋肉女子試写会でゼウスの仮の姿やってるの見たばっかりだったんだけど! 若手というか後進を育てるべき立場にあって、上手くいって幸福な姿だったのがゼウス(仮)だったとしたら、「裏切りのサーカス」では猜疑心に凝り固まってげっそりやつれた姿になってたのはそれに失敗したってことですね。よくわかる。
ちなみに家では「エイリアン」で若い姿を見たばっかりだったのね、ジョン・ハート。まあここでも若手のエイリアンを育ててましたよね、チェストバスターだけど、自分の腹ん中で。うん。
それ以外にもメインキャラで見分けて欲しい人達が何人かいて、彼らが「薄毛前髪色男」にあたります。それについてはこのあとで♪