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ユンホとチャンミンの見得に悶絶!涙と笑いと汗の東方神起ライブ(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120512-00000579-san-ent
>【恋する韓流】
天空から凛々(りり)しい白い騎士が舞い降りてきたかと思った。それほどに東方神起の2人は光り輝いていた。切れのいいダンスから目が離せない。歌舞伎の見得のようにポーズがきまるたびに何度悶絶したことか。26歳のリーダー、ユンホと2歳年下のチャンミン。2人の達者な日本語トークのぼけとつっこみに笑い転げ、甘い歌声に心震わされ、3年振りのドーム公演を成功させた努力とこれまでの道のりを思って涙した3時間半。(亀岡典子)
■まるで初恋!
4月23日に行われた「東方神起LIVE TOUR2012~TONE~」の京セラドーム大阪でのファイナル公演は、日本の音楽界を席巻するK-POPの頂点に立つ東方神起のすべてを見せてくれた最高にスタイリッシュで、それでいて温かな愛にあふれたものであった。
私が東方神起にはまったのは4年前。当時、5人で活動していた最後の頃だった。平成20年のNHK紅白歌合戦で、羽飾りのついた真っ白の衣装を着た彼らのパフォーマンスを見てひと目で心を奪われた。それまでK-POPにも、「冬のソナタ」をはじめとする韓国ドラマにも興味がなく、先に韓流にはまった友人を、「いい年して何やってんだか」と冷たい目で見ていたほどだ。
それが東方神起を見た瞬間、すべてが変わった。紅白で歌った「Purple Line」のダンスも初めて見るような斬新な振り付けだった。「なに、これ?」。全員がリードボーカルをとれるという歌唱力に、整った顔立ち、平均身長180センチを超えるモデルのようなスタイル。こんなグループ、見たことない。初恋のように胸がときめいた。
ところが、追いかけ始めてからしばらくして分裂騒動が起き、心痛む日々が続く。結局、現在は事務所を出た3人組(JYJ)と、事務所に残った2人組(東方神起)に別れて活動しているが、両方を応援しているファンのなんと多いことか。
■鳥肌もの! 赤い海と化した客席 悲鳴のような歓声…
今年1月から4月にかけて日本全国で行われたライブは2人の東方神起となって初めての単独公演。これまでのいきさつを知るファンには万感胸に迫るものがあったし、2人になってからファンになった人たちには新鮮な感動があったはずだ。ツアーは3カ月間でなんと55万人を動員。3日連続の京セラドーム公演の前に同じく、3日連続の東京ドーム公演も行われているが、海外アーティストで東京ドームでの3日連続公演は、過去、あのマイケル・ジャクソンと、バックストリート・ボーイズしかいないという。それほど誰もが待ちこがれたステージだったのだ。
午後6時開演。場内が暗くなると客席全体が真っ赤に染まった。鳥肌が立つほど壮観な眺め。「レッドオーシャン」といわれる東方神起独特の現象だ。K-POPスターにはそれぞれテーマカラーがあり、東方神起はパールレッド。ライブではファンが同じ色のペンライトを振るので客席が真っ赤な海と化すのである。
オープニングは「B・U・T」。軽快なリズムとともに、真っ白の衣装の2人が姿を現すと、場内は悲鳴のような歓声に包まれる。「Superstar」「I Think U Know」とノリのいい曲が続き、ユンホが184センチの長身を生かしてダイナミックで洗練されたダンスで観客の目を釘付けにすれば、伸びのある高音が特徴のチャンミンがバラード曲「時ヲ止メテ」で表現力のある歌唱を披露、うっとりさせてくれる。
ユンホのソロ曲「Honey Funny Bunny」で見せるセクシャルで挑発的ダンスに客席から悲鳴がわき上がり、チャンミンが日本のX-JAPANの「Rusty Nail」を高音を駆使してエネルギッシュに歌えば、拍手が鳴り止まない。
恋人と別れた心境を歌うミドルバラードの新曲「STILL」、昨年のNHK紅白歌合戦で歌った「WHY?」など、たった2人でアンコール曲まで全26曲を、衣装を替え、3Dマッピングという最新の映像をまじえながら、エネルギッシュに歌いきった。
しかし、ファンの心をとりこにしたのは、洗練とかっこよさに徹した完成度の高いパフォーマンスだけではない。2人のMC(トーク)がまた楽しいのだ。人気バラエティー番組「ピカルの定理」から、「邪魔者は消えた」のコントをパロディーにして見せたり、ユンホがいまホットなスギちゃんのギャグ「ワイルドだろ?」をすぐさま取り入れて連発したりと、サービス精神旺盛。
客席にウエーブを要求し、そのウエーブに時間がかかったといって、ドSキャラで知られるチャンミンが「(ライブの時間が)なくなりました。みなさんのせいですよ。難しい言葉でいうと自業自得ですよ」と言い放って客席を笑わせる。そんなチャンミンをお兄さんらしくフォローするユンホ。2人の間に強い信頼関係があるのがうかがえる。
■「直角のおじぎ」に感動
ファンへの気持ちを素直に表わすのも東方神起らしい。ファイナルということで、スタッフ全員の映像をスクリーンに映しながら、ユンホが「音響チーム」「映像チーム」と紹介。最後に、満員の客席を写しながら「レッドオーシャンチーム」と紹介して、「みんながいるからいいステージになります。みなさんと完璧にひとつになって、逆にいい思い出をつくってもらいました。本当にありがとうございました」と、2人そろって深々と長い長いおじぎをした。
東方神起のおじぎはファンの間では有名で、90度に腰をおった深く美しいおじぎは、彼らの感謝の気持ちをそのまま表わしているのだと思う。現代の日本の若者が忘れてしまったようなきれいなおじぎ。そして人への感謝の気持ち。礼儀正しくことあるごとにファンやスタッフへの感謝を言葉にして伝える東方神起だからこそ、ファンはいつまでも彼らを応援したいと思うのであろう。そこには人間の品格が見える。
アンコールも終わり、2人が舞台から去った後、客席のどこからか自然発生的に、「ララララ…」と、彼らの曲「WEEP」の一節が聞こえてきた。その声はどんどん広がり、ドームいっぱいに広がってゆく。
予定外の大合唱に、もう一度東方神起が舞台に登場した。私たちの合唱を、2人は涙をこらえるような、なんともいえない表情でじっと聞いていた。それは幸せそうな顔であった。東方神起とファンが一体になった瞬間であった。
全力で歌い、踊り、しゃべり、ファンを楽しませ、喜ばせた東方神起。尋常じゃない汗の量やハードなダンス曲が続いて苦しそうに肩で息をしながらしゃべる姿など、彼らが正真正銘、全身全霊でステージをつとめているのがわかる。しかも、すべての曲を日本語で完璧に歌い、日本語のトークも自在だ。ここに来るまでにどれほど苦労し、勉強してきたかがうかがえるのである。
■東方神起に続け!
いま、日本で続々デビューしているK-POPアイドルたち。彼らのほとんどは韓国でのデビュー前、事務所の練習生となり、ひたすらダンスや歌をレッスンする。一日何時間も練習し、数年間練習生時代を過ごすアイドルの卵も多いという。海外でのデビューに備えて早くから日本語や英語、中国語のレッスンもする。そうして多角的な実力を蓄えてようやくデビューできるのである。
本当に良質のエンターテインメントとは何なのか。プロに徹した東方神起のステージを見ているとつい、そんなことを思ってしまう。そして、そこに「心」があるからこそ、これほどに私たちの心をとりこにしていくのであろう。