絶対自分向きの作品じゃないと知悉しつつ、それでもサム・ワーシントンとキーラ・ナイトレイとエヴァ・メンデスが出てるからと見に行った「恋と愛の測り方」。やっぱり思った通りとことん趣味じゃなかった。あまりに興味の範囲の埒外すぎて、どーしていーのか分からなかった。
何が趣味の範疇に入らないかって、ギヨーム・カネ! 彼のファンの方ごめんなさい。私は彼の良さを見抜くことのできないただのバカモノなんです。何故でしょう、ギヨームって私の琴線に触れる部分が一つもないのよね。嫌いとかイヤとかでもなくて、ただ興味から外れてるの。
それに対してサム・ワーシントンの方は何故かど真ん中ストライクなんです。あたしゃ肉体派が好きなんだよ!(ギヨームも脱いだらよかったのか?)コホン。だからサムとギヨームの間で揺れ動くキーラちゃん見て「あんたはバカか?ダンナ(サム)の方がいいに決まってるだろ!」とずっと思ってたもんで。
大体さ、たまたま用があって来たんだけど時間があいたから会わないか、なんて人妻に言ってくる元恋人なんか、あわよくば焼けぼっくいに火がついて一夜のアバンチュールを…って下心あるに決まってるじゃん。他の相手を探すより簡単だし安上がりだし次の日には後腐れなくサヨナラが決まってるんだし。
それに気づかないフリして旧交を温めるだけみたいな顔して出かけるキーラちゃん、しっかり勝負下着に変えてるあたり、なりゆき次第でどうとでも……なんて思ってるわけでしょ。私としてはどっちでもいいからさっさと決めてくれ! とイライラしながら銀幕眺めてるわけですよ。
サムの方もエヴァ・メンデスの色香に迷って態度を決めかねてゆらゆらフラフラ。つまりだ、私はどっちにするか決められなくて悩んでるフリして時間稼ぎをしてるヤツらの描写なんか映画で見たくないわけだ。彼らは自分の中では結論を出しているのに、それを実行するのを先延ばししているだけだからね。
あ、すいません、役名覚えてないんで俳優名で書いてます。んで映画の善し悪しではなく、自分が何故この作品をつまらないと感じたのかを分析しております。作品としては、なんでしょーね、作り手の告解でしょーか。
「恋と愛の測り方」で衝撃的だったのは、冒頭で夫とパーティーに出席した時のキーラちゃんが身につけているもの。目を疑いました。あれは、ありえないわー。幾らダンナとの生活に飽きて身だしなみに構わなくなったからって、あの若さと美貌を持ってる女性ならあんなかっこはしないわ~。黒いシックなドレスの広い襟ぐりから普段着のグレーのタンクトップ……というよりランニングが完全にはみ出しているのよ。しかもどうやらそれが肌着らしくて、ブラジャーつけてないのよ。いや、ノーブラは許せても、ドレスの襟ぐりから見苦しく出ているのびたランニングは女として許せないわ。美意識ない役なのか?
まあそのシーンでブラをつけてないキーラちゃんの胸の貧弱ぶりを強調しておいて、あとからエヴァ・メンデスの爆裂ボディーを出せば、夫役のサムならずとも男性の観客の視線は全部エヴァに集まるという計算なのかもしれないけど。そしてその後キーラはちゃんとブラをして女っぷりをあげるのだけど。
しかしだ、そんなに巨乳が好きならば、何故貧乳の女と結婚する? 結婚したら胸が育つとでも思ってたのか? と、これはトム・ハンクスとジュリア・ロバーツの「幸せの教室」を見て思った事でした。
今年のサム・ワーシントン祭、あと見てないのは7月7日公開の「崖っぷちの男」だけになりました。「マンイーター」「タイタンの逆襲」「キリング・フィールズ 失踪地帯」「恋と愛の測り方」と見て、役の多彩さと演技力の確かさにすっかり感心してしまいました。スーツ姿も見慣れたし♪
今のところ映画の面白さでは一位が「キリング・フィールズ 失踪地帯」。二位は「タイタン」だけど、これは「マンイーター」よりもサムの出番が多いからってのが大きい。当然一番つまらなかったのが「恋と愛の測り方」。好みじゃないと知ってて見に行った自分を心底アホだと思ったわ。見ている間中、早く終わらないかなとそればかり考えてました。ほとんど苦行に耐えてる気分。ホント、サムのファンじゃなかったらこんなの見ないわよ! 自分で決めたことだから最後まで我慢して見たけれど、耐える愛はもうまっぴらだわ。