公平な結末は信じるな! 鬼才ギレルモ・デル・トロが語る“ホラー映画”(ぴあ映画生活) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120628-00000002-piaeiga-movi


>『パンズ・ラビリンス』『ヘルボーイ』のギレルモ・デル・トロが脚本とプロデュースを手がけたダーク・ファンタジー『ダーク・フェアリー』のブルーレイとDVDが7月3日(火)にリリースされる。いくつもの企画を抱えるデル・トロはなぜ、本作を世におくりだしたのだろうか? 彼のインタビューが届いた。

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本作は、郊外に建つ古い屋敷を舞台に、その地下室に住んでいたちいさな魔物たちと、その家に引っ越してきた家族の攻防を描いた物語。独創的なクリーチャー、ダークテイストな舞台装置、主人公の少女の造形など、デル・トロらしい要素がたっぷりつまった作品だが、本作は1973年に製作されたTV映画『地下室の魔物』を基にした作品だ。「あんなに怖くて興奮した事は滅多にない。今までの人生で心底怖かった映画は恐らく20本程で、その多くはTV映画だった。怖かった一番の理由は、僕はその作品で初めて獰猛で小さなクリーチャーを観たからだ。子供は普通、ドラゴンやモンスターという巨大なものを怖がるだろ? でもこの作品を観て、小さなクリーチャーの方が大きなモンスターより遥かに恐ろしく邪悪だと思ったんだ」。

デル・トロ少年が幼少期に感じた恐怖と興奮は、最新のVFXと新たなアイデアを得て新生した。「商売人根性の、経済的な計算から生まれたリメイク作品ほどひどいものは無いと思う。でも、デイヴィッド・クローネンバーグは『ザ・フライ』をリメイクして、良質だったオリジナルを超えるものを撮った。リメイクをする時に注意しないといけないのは、ただ単に古い素材を頼ってリニューアルするのではなく、監督・脚本家・プロデューサーがちゃんとゼロからアイデアを考えて、その古い素材を上手く進化させることが大切だ」。

ちなみに本作はその映像美だけでなく、先の読めない物語も魅力だが、そこにはデル・トロの考える“ホラー映画観”が息づいている。「あまりネタバレはしたくないけれど、テスト試写を行ったとき、一番強いあのキャラクターが最後に恐ろしい運命を目の当たりにするという事実に観客は本当に衝撃を受けていた。でもそれがまた、オリジナルの映画で僕が非常に感銘を受けた部分だった。ホラー映画が怖い理由のひとつは“不公平な部分”が描かれるからだ。近頃のホラー映画のエンディングには、ヒーローは生き残り、モンスターは殺され、すべてはうまくいく、といったしばしば公平な結末が多い。僕はそういうタイプの結末は信じていない」。

名作『パンズ・ラビリンス』で観客が目にした衝撃的なラストは決して“公平”なものとは言い難いが、多くの観客の心に響き、全世界で数々の映画賞を受賞した。『ダーク・フェアリー』では、どんな強烈で忘れられない結末が待っているのか気になるところだ。

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