デヴィッド・クローネンバーグ監督『A DANGEROUS METHOD』が遂に日本公開決定!(Movie Walker) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120702-00000009-mvwalk-movi


『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(06)、『イースタン・プロミス』(08)の鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が、『つぐない』(08)の名脚本家クリストファー・ハンプトンによる舞台劇を映画化した『A DANGEROUS METHOD』の邦題が『危険なメソッド』に決まり、1027日(土)より公開されることがわかった。出演はマイケル・ファスベンダー、キーラ・ナイトレイ、ヴィゴ・モーテンセン、ヴァンサン・カッセルほか。

【写真】フロイトを演じるヴィゴ・モーテンセン

本作は、若き日のユングを主人公に、フロイトとの出会いから蜜月時代、そして決別までの軌跡をたどったヒューマンドラマ。映画史に前例のないユニークな企画だが、本作がいっそう興味深いのは歴史上に実在したもう一人の人物を登場させ、知られざる史実を探求していることだ。物語の重要な鍵を握るそのキャラクターとは、ユングの患者であり、愛人でもあったロシア系ユダヤ人女性ザビーナ・シュピールライン。この美しくも聡明で、過激な情動を内に秘めた運命の女の存在にスポットを当て、禁断のトライアングルで結ばれたユング、フロイトとの関係性をドラマティックかつスリリングに映し出す。

1904年、チューリッヒのブルクヘルツリ病院に勤める29歳の精神科医ユングは、精神分析学の大家フロイトが提唱する談話療法に刺激され、新たな患者ザビーナにその斬新な治療法を実践する。まもなくユングは、ザビーナの幼少期の記憶をたどり、彼女が抱える性的トラウマの原因を突き止めることに成功。しかし、医師と患者の一線を越えてしまったふたりは、秘密の情事を重ねるようになり、ザビーナをめぐるユングの内なる葛藤はフロイトとの友情にも亀裂を生じさせていく。

オリジナル舞台版はレイフ・ファインズがユングを演じて話題を呼び、その映画化をクローネンバーグ監督が熱望した。『SHAME シェイム』(12)、『ジェーン・エア』(12)、『プロメテウス』(8月24日公開)などのマイケル・ファスベンダーは、若き実力派の二枚目男優が幾多の試練にさらされる駆け出し時代のユングを演じる。ユングとフロイトの研究にも影響を与えた実在の女性ザビーナを演じるのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイ。鋭い感性と知性の持ち主にして、マゾヒスティックな性癖を隠し持つという異色のヒロインをすさまじい絶叫シーンや過激なセックスシーンも辞さない渾身の熱演で体現している。フロイトを演じるヴィゴ・モーテンセンにとって、本作は『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』に続く3作目のクローネンバーグ監督作品となる。いつもながらの徹底した役作りでカリスマ性あふれる心理学者になりきり、重厚な存在感を発揮している。ユングとザビーナの触媒の役目を果たす快楽主義者オットー・グロスを演じたヴァンサン・カッセルの鮮烈な演技も見逃せない。

スタッフには原作の舞台劇を自ら脚色したクリストファー・ハンプトンのほか、クローネンバーグ組の常連がずらりと参加。撮影監督のピーター・サシツキー、美術のキャロル・スピア、音楽のハワード・ショアらが20世紀初頭のヨーロッパの様式と詩情をスクリーンによみがえらせ、クローネンバーグ監督の新たな挑戦を支えた。撮影にはフロイトとその家族が実際に長年住んだウィーンの家も使用されているそうだ。