数々のリドリー・スコット作品に参加した日本人スタッフが「プロメテウス」を語る(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120720-00000009-eiga-movi


リドリー・スコット監督とタッグを組むオスカー受賞の編集マン、ピエトロ・スカリアのアシスタントとして、数々のスコット作品に参加した横山智佐子氏が一時帰国し、「プロメテウス」について語った。

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 「ビジュアルがとにかく素晴らしい。スケールの大きさはもちろん、どこからが実際に撮影したもので、どこからがCGなのかが分からないくらいのリアリティ。CGの世界もここまで来たかと思いました」と、同作の感想を語った横山氏は、「グラディエーター」「ブラックホーク・ダウン」などの作品にファースト・アシスタント・エディターとして参加。04年には自らもチーフ・エディターとして独立し、紀里谷和明監督作「CASSHERN」USA公開版の編集を手掛けたほか、06年には、日本人フィルムメーカーを育てるための専門学校「ISMP」をロサンゼルスに設立している。

 監督の作家性が重視される日本と違い、ハリウッドの映画製作は「プロデューサーのOKが出ないと、映画は完成しない」という横山氏。「ハリウッドでは“編集”が非常に重要な役割を担っていて、余分なシーンが落とされていくのはもちろん、構成を入れ替えたり、追加で撮影が必要なシーンが浮かび上がってきたり……5カ月から8カ月、下手をしたら1年も時間をかけることもあります」と、実情を明かす。

 「編集作業は“リ・ライティング(再脚本化)”かつ“リ・ディレクティング(再演出)”と言われていて、監督たちは皆さん『楽しい』とおっしゃいますね。最初につないだ4、5時間あるものを2時間にするんですから、どうやってうまくストーリーテリングさせるか、映画の一番いいところをどうやってうまく伝えるかに集中するんです」。

 それだけに、監督と編集者のタッグ関係は“夫婦”にも似たものだとか。スコット監督とスカリアの場合は、「ビジュアリストとしての才能をリドリーさんが存分に発揮する分、ストーリーテリングの部分でスカリアさんがフォローする関係」だという。「ピエトロさんとは、(編集をめぐって)ああでもないこうでもないとよくやり合っていましたが(笑)」。

 「プロメテウス」の編集も、もちろんスカリアが担当。横山氏は、同作の見どころに「キャラクターの面白さ」も挙げつつも、「やはりビジュアルです。初めて見る世界観とリアリティを追求した3Dを堪能してください」と語った。

 「プロメテウス」は、8月11、12、18、19日の先行上映を経て、24日から全国公開。