ドロンジョも山本正之も…「タツノコプロテン」に集ったスターたち(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120811-00000539-san-ent
アニメ制作会社、竜の子プロダクション(タツノコプロ)の創立50周年を記念する展覧会「タツノコプロテン」が、東京・銀座の松屋銀座8階のイベントスクエアで開かれている。「タイムボカンシリーズ」をはじめ、往年の名作の貴重な原画や絵コンテなど、マニア垂涎(すいぜん)の品々がずらり。キャラクターの大型模型もあり、タツノコワールドに“タイムスリップ”できる空間が広がっている。
初日の8月8日には、オープニングセレモニーを開催。「ヤッターマン」のドロンジョ役で知られる小原乃梨子をはじめ、肝付兼太、神谷明、梶裕貴、大久保瑠美ら声優陣、シリーズの主題歌の多くを手がけた山本正之、さらにファンを代表して、ボーカリストの甲本ヒロトが参加した。
小原は「私はタイムボカンシリーズから初めて参加したんですけれども、吉田竜夫さんがすごく喜んでくださって『小原さんすごくいい番組にしましょうね』っておっしゃっていただいて、暖かくて大きな手でぎゅうって握手してくださいました。私はそれを一生の宝物として参りました。これからも世界に羽ばたいてくださいませ」とエールを送った。
式典の後の取材会では、「樫の木モック」のコオロギ、「逆転イッパツマン」のコン・コルドー会長などを演じた肝付は「僕が出演していたのは45年くらい前、最近は昨日のことも忘れるので、45年前のこと今思い出してるんですが、『いやーそうだそうだ懐かしい』と。人にお会いすると『どっかでお会いした人だな』と。きょうは楽しんでいきます」と飄々とコメント。印象深かったせりふを聞かれると「『のび太のくせに』生意気だぞ!…あれ違うか」と、ドラえもんのスネ夫を演じてみせ、会場の笑いを誘った。
新人の頃からタツノコプロにお世話になっていたという神谷は「皆さんに手を引かれ、こんなに大きくなりました(笑)。これからは僕が力を貸して、一緒に歩んで行けたらと思います。日本のアニメのために頑張っていきたい」と話した。
シリーズの主題歌を手がけた山本正之は、当時を振り返りながら「37年前、1975年、ちょうど夏の今頃だったと思いますけどスタジオで、吉田社長、笹川監督、7、8人で車座になりまして、真ん中に座って、生ギターでタイムボカンの歌を聴いていただきました。37年たって、この場に立っている自分というのが嬉しゅうございます。時間はずっとつながっている。未来もつながっていくと確信しております」と、作品の世界観を交えながら、しみじみと話した。
若手からは、50周年記念のオリジナルビデオアニメ作品「一発必中!デバンダー」の主人公の春風一馬、さくら兄妹を演じる声優が登場。一馬役の梶は「作中で名セリフ『ぽちっとな』というセリフを言わせていただいてとてもうれしくて。『デバンダー』を見てくれた小さな子供たちが、タツノコ作品に興味を持つ新しいきっかけになってくれればうれしい」。
さくら役の大久保は「本当に50年アニメを続けるっていうのは、すごく大変なんだろうな。先輩のかたがたと、オープニングセレモニーに出演させていただいてありがとうございます。タツノコさんに関われるように頑張りたいです」とそれぞれ意気込みを述べた。
最後にファン代表の甲本ヒロトがあいさつ。「僕はタツノコプロが誕生した翌年に生まれたので、まさにタツノコに育ててもらった子供の一人です、僕が最初にもらったニックネームがグズラでした。両親は悲しかったと思うけど、僕はうれしかった。今でも、グズラな自分は僕の中にいると思います」と語り、会場を沸かせた。さらに山本と目を合わせ「ロックの音楽と山本正之節が僕の中でひとつになっている。ここに立っているだけで恐縮です。きょうはお礼を言いに来ました。ありがとうございます」と深々と頭を下げた。
タツノコプロは昭和37(1962年)に創立。動物たちがメルヘンチックな世界を展開する「昆虫物語みなしごハッチ」、近未来感あふれるSF作品「科学忍者隊ガッチャマン」、過去、未来を舞台にした冒険活劇「タイムボカンシリーズ」-など、多岐にわたるジャンルの作品を世に送り出してきた。
会場では作品ごとに部屋を区切り、創業者の吉田竜夫氏、九里一平氏が描いた、迫力ある肉筆の原画をはじめ、アニメ制作に使われた設定画、セル原画、絵コンテなど約300点を展示。原画はキャラクターが今にも動き出しそうな臨場感にあふれ、またレコードジャケットの細密な描写は、アニメとは違ったキャラクターの魅力を浮き彫りに。訪れた人々は、タツノコの魅力をかみしめている様子だった。
8月20日まで同店8階イベントスクエアで開催。一般1000円、高大生700円、中学生以下無料。