観るのも体力勝負!? 映画「るろうに剣心」相楽左之助役・青木崇高が語る! - News-gate http://www.news-gate.jp/2012/0809/16/
和月伸宏原作の人気コミックを実写映画化した映画「るろうに剣心」。明治時代を舞台に、かつて“人斬り抜刀斎”と恐れられた流浪人の剣心が世の平和を守るために、自らの過去と向き合う姿を描く。本作で主人公の頼もしき仲間・相楽左之助を演じるのが、現在、大河ドラマ「平清盛」に出演中の青木崇高。そんな彼が作品のこと、役者としての思いを語ってくれた。
─原作は人気コミックですが、左之助役のオファーをいただいた時はいかがでしたか?
「原作は僕が中学生のころに『ジャンプ』に連載されていて、ちょうど、今回映画化されたエピソードまでは読んでいたので、僕が今回演じた左之助のことも知っていました」
─本作のメガホンを取る大友啓史監督とは、大河ドラマ『龍馬伝』でもご一緒されていましたね。
「感覚が研ぎ澄まされたりとか、すごくおもしろいところへ僕を導いてくれる尊敬できる大友監督がNHKを退社いわゆる“脱藩”後に(笑)最初に手がける作品として、僕に声をかけてくださって、監督のイメージを目指すことができたらと思いましたね。僕が監督の要求にどれくらい応えられるのか、好奇心もありました」
─左之助は喧嘩屋というキャラクターで、豪快なアクションも印象的ですが役作りはどのようにされましたか?
「撮影前のアクションの練習は1か月半くらいありましたが、今回、アクション監督をされた谷垣さんは香港映画でも活躍されている方で、『導火線 FLASH POINT』(’07)のドニー・イェンのアクションを今回はイメージしていると言われて“撮影までに(自分のアクションが)間に合うかな?”と心配でしたね。最近、当時のスケジュールを見返したんですが、ほぼ毎日“アクション練習”で…(苦笑)。でも肉体や動きに説得力がないと、左之助の圧倒的な強さは表現できないので、アクション練習のあとに筋トレもしていました。大友監督から“今回は肉体から役へアプローチすることになるけど、いままでとは違うんじゃない?”と言われましたけど、肉体とアクションから左之助という人物の芯の部分を作っていくのは自分にとって新鮮でした。大友監督は現場だけの演出ではなくて、体作りの面でも見て下さっていたので学ぶことも多かったです。左之助は悪に対して敏感だけど、手に持っているのも大きな“斬馬刀(ざんばとう/馬を斬るための刀)”で戦うにはちょっと不利で、彼のモチベーションは相手を“殺す”のではなく“倒す”ことにあるんです。なので、そういった武器もまたキャラクターを表現する上で重要でしたね。美術さん、衣装さん、監督とも“コスプレにならないように”と心がけて一生懸命やっていただきましたし、でもそれを着る人間がただの“マネキン”じゃダメなわけで、その衣装をきちんと纏える精神を僕ら演じる人間が持っていないと意味がない。だけど、今回はみなさんすごくマッチしていたと思いますね」
─大友監督と絶大な信頼関係で結ばれていると思いますが、現場で監督の演出で印象的だったことはありますか?
「現場で大友監督は基本的に“自分が思うように好きなように演じて”とおっしゃるんですが、役者の生身の姿を切り取りたいんだと思うんですね。そんな現場に耐えられるセットも用意されているので、監督の“好きに動いてくれ”という言葉に応えられないと意味がないんです。それだけキャラクターを解放的に考えられないと、監督の要求にはまったく追いつけないんですよね。なので、自分を解放するという意識を現場に持っていけば大丈夫というか…それは監督との信頼関係からできることだと思います。左之助はこれまでたくさんのケンカをしてきたので、相手のクセを読んだりだとかそういう戦いのリズムも役の持つトーンとして大切に演じました。なので、カポエイラとかおもしろい動きのリズムを参考にしましたし、それが役の持つダイナミックさにもつながりましたし、それを受け止めてくれ、安心できる現場でしたね」
─2002年の俳優デビューし、ことしで10周年を迎えますが、青木さんは現代劇から時代劇、映画にドラマと出演作も実に幅広いですね。
「作品選びも“出会い”なんだと思うんです。得手不得手はあるんですけど、その役を演じている自分がイメージできるものよりも、イメージできないものを演じる方がおもしろいし、1から作らなきゃいけないものの方が勉強にもなります。もちろん、自分が持っているものを高めていくことも大切ですけど、自分が苦手かもしれないけれど“おもしろそうだな”と思ったものをやりたいんですよね。今回の『るろうに剣心』もしんどかったけれど、楽しかった。その勘は今後の自分に生きてくると思います」
─では最後に、映画「るろうに剣心」の見どころを教えてください。
「開始10秒で“なんだこの世界は…”と思うような作品ですし、アクションシーンでは観ている方も力が入るので体力が必要かもしれないです(笑)。ある程度は体力がないと、観終わったあとに体力が残っていないくらいに前のめりで夢中になって観てもらえる作品になっていると思いますし、この映画から発せられるエネルギーに負けないようにしてほしいです!」