『アベンジャーズ』来日したサミュエル・L・ジャクソンが分析「ニック・フューリーは影の戦士さ!」(Movie Walker) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120816-00000023-mvwalk-movi


“100年に一度の映像プロジェクト”とも言われるアクション超大作『アベンジャーズ』が、遂に日本でも8月14日より公開となった。そこで、来日したサミュエル・L・ジャクソンに直撃インタビュー!シールドの伝説的長官ニック・フューリー役として、これまでも『アイアンマン』(08)、『アイアンマン2』(10)、『マイティ・ソー』(11)、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(11)に出演。チーム・アベンジャーズのまとめ役であり、ヒーローたちの長所、短所も知り尽くすニックを演じた彼に、各キャラクターの魅力、そして自身のヒーロー像を聞いた。

【写真を見る】「取り扱い注意なのは、トニー・スターク!」と笑顔で語るサミュエル・L・ジャクソン

固い意志を持ち、アベンジャーズを集結させるニック・フューリー。自身との共通点を尋ねると、「もともと私は、自分でゴールを設定して、それに向かって一つのことを集中してやるタイプなんだ。だから、彼のようにマルチに物事に取り組むタイプではないんだ」と笑顔を見せた。続けて、「ニックはマルチに周囲を見渡せるヤツだから、今回もそれぞれのキャラクターとニックの関係性を考えながら、役にアプローチしていったよ」と役作りの秘訣を語ってくれた。

さらに「私はね、シールドの副司令官であるマリア・ヒルは、実は委員会から送り込まれたスパイなんじゃないかと思っているんだ」といたずらっ子のような笑みを浮かべたサミュエル。「だから長官としては、彼女にあまり情報を与えないようにしている。そんなニックが絶大な信頼を寄せているのは、ロマノフとホークアイさ」と、複雑な人物関係を分析してくれた。

何と言っても相手となるのが個性的かつ最強すぎるヒーローたち。サミュエルは「アベンジャーズのまとめ役を演じるのは気分が良いね」と、役柄を心から楽しんでいるようだ。「人によって何が必要かが違うからね。ロマノフとホークアイは何も気を遣うことはないんだけど、トニー・スタークには特殊な取り扱いが必要だし、キャプテン・アメリカであるスティーブに対しては、ゆっくりとしたプロセスを踏まなければならない。ソーは、もう別世界の人だしね(笑)。なんで神の国アスガルドの王子が地球にいるんだって、未だに悩んでいるんだけれど(笑)。そして、バナー博士はみんなが怖がっている存在だ」。

各ヒーローのアクションをしっかりと映し出すだけでなく、抱える悩みや欠点を乗り越えるドラマとしても見どころあふれる本作。「ジョス・ウェドン監督は、彼らの関係性を含め、素晴らしい映画を撮り上げた。それぞれのキャラクターのカオスに巻き込まれそうになりながらも、長官としては、みんなが『ああ、そうだよな!』と思えるものを打ち出して、『個人より一丸となる団体の方が強いんだ。一致団結してユニットになるんだ』ということを彼らに感じさせなければならなかった。そういう意味では、みんなの一つ上を行く賢さを持ったキャラクターだし、自分の中では長官を“シャドウ・ウォリアー=影の戦士”だと思っているよ」。

スパイダーマンをはじめとする極上のヒーローシリーズで知られるマーベル。今回、『アベンジャーズ』という壮大なプロジェクトを実現できた理由をこう語る。「マーベルは、とにかく監督の選択が優れていると思う。そのなかでもジョス監督は、このジャンルを十分に理解しているファンボーイなんだ。僕もそうだけれど、同じファンとしてその気持ちを良くわかっている。ジョスは、アドベンチャー、アクションであるうえに、ユーモアもしっかりと理解して、ヒーローものを撮り上げた監督だよ」。

世界がアベンジャーズの活躍に熱狂しているが、自身にとってのヒーローとは?「世界は今、本当に混沌としている。でも、今の自分にとってはヒロイズムよりも“ソリューション=解決すること”が大事だと思っている。自分が問題の一部にならないことも大事だよね。もちろん小さい頃には、私にもヒーローがいた。それはおじいちゃんさ。世界というものを教えてくれて、人との接し方、目的を達成する素晴らしさを教えてくれた。あと、ヒーローというわけじゃないけれど、いつだって自分が大事にしているのが、スマイルだよ」

その言葉通り、時に豪快に笑い飛ばしながらインタビューに答えてくれたサミュエル。何でも、自身の映画が公開されると、毎回、自腹で大量にチケットを買って地元の教会に寄付しているという。遅咲きと言われながらも多作。情熱がほとばしり、いつまでも映画の熱心なファンボーイであり続けようとする姿は、まさに映画界のヒーローといったたたずまいだ。是非ともこの機会にスクリーンで彼の勇士を見届けてほしい!