2011年大ヒット韓国映画「神弓」キム・ハンミン監督 オフィシャルインタビュー(WoW!Korea) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120817-00000031-wow-ent
来る25日より日本で公開される韓国映画「神弓-KAMIYUMI-」。同作品は2011年、韓国で800万人以上の観客を動員し大ヒットを記録した。
最終兵器 弓の紹介と写真
日本公開に先立ち、同作品を手がけたキム・ハンミン監督にテーマとなっている”弓”への思い、また作品を通して伝えたい思いを聞いた。
<b>-韓国で大ヒットを記録した「神弓-KAMIYUMI-」。これだけの韓国国民に支持され、記録的なヒットとなった理由を監督自身はどのように分析していますか。</b>
分析というのは上手くできないのですが、直感で私が感じたことを申し上げます。まず、これは丙子の乱という歴史的な背景を描いています。この丙子の乱というのは、当時の韓国の人々にとっての、苦難、受難の歴史だったんです。その歴史的な事実と、また同時に弓を使い、追って追われるチェイスアクションが描かれているということで、時代劇とチェイスアクションの結合というものを皆さんが新鮮に感じてくれたのではないかと思います。また、ナミという主人公は、妹を守るために立ち上がり、清の軍隊に立ち向かっていくわけです。自分自身を投げうって、妹を助ける。こういった物語に共感をしてもらえたのではないかと感じています。また、弓という武器の斬新さでしょうか。これまでは、銃や刀を持って戦い、追撃戦をするというようなアクション映画をたくさん見てきましたが、今回は弓を使ったチェイスアクション。しかも、それが歴史的な時代劇のジャンルの中で描かれているということを観客の方々も新鮮に受け止めたのだと思います。ハリウッドの映画関係者の方からも「どんなハリウッド映画よりもダイナミックでスリルに満ちている。しかも、これまでは弓というとメインの武器ではなく、いつも付随的だったものを全面に押し出し、伝統的な時代劇として描いた点が、新鮮で面白かった」とお褒めの言葉をいただきました。
<b>-昔から弓について関心があったと伺いましたが「最終兵器」である弓について、どのような関心があったのでしょうか。また、弓の魅力とは。</b>
まず、弓というのは人間に対して本質的な快感を与える武器だと思うんです。私の育ったふるさとには、近所に弓を打つ弓場がありました。そこを通るたびに弓が的に当たるときの音や弓が風を切って飛んでいく音が聞こえてくるんです。それらの音から、子ども心に強烈な印象を受けました。そこには原始的な快感があると感じていたのですが、いつかそれを映画で表現できないか、と考えるようになりました。
弓は至近距離で戦う武器ではありません。離れた場所に向かって弓を放つというのは非常に集中力が必要な作業で、遠くにいる相手を打つという弓ならではの固有の味というものがあると思うのですが、これは銃撃戦にはない、非常にアナログで原始的な快感を伴ったものだといえます。しかし、このように言葉で説明するよりも、弓を一度経験、または体感してみれば、その魅力というのが何なのか、直接肌で感じる事ができるのではないかと思います。
もう一つ付け加えると、現代人が失ってしまった快感の中には、馬に乗ること、そして弓を打つこと、この二つの体験があると思います。これは、自分の身体で感じる快感なわけですが、馬に乗る、弓を打つという体験は、死ぬまでに一度、必ず体感して欲しいということも加えてお伝えしたいです。
<b>-今夏開催されたロンドンオリンピックで、韓国のアーチェリー勢がメダルを取るなど、韓国のアーチェリーはとても強いですね。</b>
韓国のアーチェリーについては、同じ韓国人として自負心を持っています。「神弓-KAMIYUMI-」が公開された後に、韓国ではアーチェリーの選手たちのための試写会を行いました。そのときに、私が弓について全面に描くという映画を撮ったことで、アーチェリーの選手たちからは、これは実際とは違うとか、叱咤を受けるのではないかと思っていたのですが、意外にも皆さんが映画をとても楽しんでくれました。特に最後の「風は計算するものではなく、克服するものだ」という台詞について、共感して下さったんです。
実際今回、以前のオリンピックのメダリストだった方々がことしのロンドンオリンピックではアーチェリー競技の解説委員として活躍していたのですが、その解説委員の方々が解説の中で、この台詞を使っていました。ロンドンは予測不可能な天気だった状況にぴったり当てはまるということで、何度もこの台詞を引用されていたんです。自分としては気恥ずかしくもあり、とてもありがたかったのですが、この映画が縁となって、国家代表の選手や監督ともすごく親しくなりました。また、今回のアーチェリーの総監督を務めている方が、高校の先輩でした。とても不思議なご縁を感じました。
<b>-唯一の日本人キャストである大谷亮平さんについて、起用の理由は。</b>
大谷亮平さんという俳優は、ハンサムで魅力的ですよね。劇中、言葉が話せない兵士の役は、長い間キャスティングができず、適任者を見つけられずにいたんです。そこに、たまたまある方から紹介を受け、ぴったりだと思い大谷さんをキャスティングしました。今回、彼のことがとても気に入ったので、次回作にも大谷さんをキャスティングしました。
<b>-これから「神弓-KAMIYUMI-」をご覧になる日本の皆さんへ</b>
東洋の伝統的な時代劇映画も、ハリウッドのジャンル映画に劣らずダイナミックで、非常に緊迫感があり、面白く描けるということを日本の皆さんにも見て感じてほしいと願っています。映画監督としては、いずれ、日本の侍アクション映画を撮ってみたいというロマンも持っています。いずれにしても、皆さんにとって楽しい時間になってほしいと願っており、面白いチェイスアクション映画として、本作を楽しんでいただければと思います。
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