『バイオハザード』シリーズ5作目が全米トップ!でもボックスオフィスは依然低空飛行…… -9月17日版【全米ボックスオフィス考】(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120918-00000022-flix-movi


 ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の人気シリーズ第5弾となる映画『バイオハザードV:リトリビューション』が2,105万ドル(約16億8,400万円)の興収を上げて今週のナンバーワンとなった。とはいうものの前作の映画『バイオハザードIV アフターライフ』のデビュー興収2,665万ドル(約21億3,200万円)と比べ下回っており、低迷が続いているボックスオフィスをスランプから救出する起爆剤となるには至らなかった。ちなみに観客比率は64パーセントが男性客で、全体の55パーセントが25歳以上の観客であったとの結果が出ている。(1ドル80円計算)

今週トップの映画『バイオハザードV:リトリビューション』写真ギャラリー

 第2位は、旧ヒット作の3D版となる映画『ファインディング・ニモ 3D』で、興収は1,669万ドル(約13億3,520万円)。去年の同時期に公開された同じく3D版『ライオン・キング』のデビュー興収3,015万ドル(約24億1,200万円)に比べるとかなり少ない。ニモは、大ヒット作品とはいえ初公開されたのは、およそ9年前。映画『ライオン・キング』のおよそ18年前に比べるとかなり最近ということになり、まだファンの懐かし度が頂点に達していなかったのではないか。

 以下、第3位から第5位までは先週のトップから第3位がそのままずり落ちたというランキングとなっており、第3位は先週トップだったホラー映画『ザ・ポゼッション(原題) / The Possession』で577万ドル(約4億6,160万円)。第4位は、435万ドル(約3億4,800万円)で27.6パーセントの下降率だったトム・ハーディとシャイア・ラブーフ共演の映画『ロウレス(原題) / Lawless』。トップ5最後は、映画『エクスペンダブルズ2』で315万ドル(約2億5,200万円)となっている。

 今週もかなりの低空飛行となってしまった全米ボックスオフィス。上位12作品の興収は、およそ6,900万ドル(約55億2,000万円)で今年2番目のワースト記録となり、去年同時期と比べておよそ20パーセントの興収減とハリウッド映画界はいまだにスランプを抜け出せない状態が続いている。この結果は、『バイオハザードV:リトリビューション』や他の作品の出来がどうこうというよりも、今年5月の映画『メン・イン・ブラック3』に始まったハリウッドの続編、再映ラッシュに映画ファンがウンザリしてきたのではないかと考えられる。

 さらに、ハリウッドが経済的安全策として使用しているアリもの映画化作戦(既存コミックヒーローたちの映画化、既存小説の映画化)や、旧ヒット作3D化オンパレード(今年のみでこれまでにニモを含め、『タイタニック 3D』『STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D』『美女と野獣 ディズニーデジタル3D』などが!)と、これでは新鮮味のない冷凍食品ばかりを食べさせられているようで、映画ファンたちに飽きがくるのも当たり前である。

 それでは次回のランキングはどうなるだろう。トップまで行けるか多少の疑問はあるものの、話題作としては映画『人生の特等席』が筆頭と考えられる。大御所クリント・イーストウッドが久々に俳優業に徹した作品で、3,100館以上で封切り予定。仕事一筋で家庭を顧みなかった父と、そんな父を良く思っていない娘の交流を描いたドラマだが、少々気になるのはPRの方向性だ。予告編には、イーストウッドのトレードマークでもある頑固オヤジ色が強く打ち出され、映画ファンから「またか!」という反応を示されるのでは……。

 そのイーストウッド作品に対抗するのは、スリラー映画『ボディ・ハント』。映画『ハンガー・ゲーム』以来人気急上昇中のジェニファー・ローレンス主演作品で、あらすじは面白そうなのだが、PRの少なさがヒットの可能性を低くしてしまう恐れがある。そしてもう1本の新作は、映画『ドレッド3D(原題)/Dredd 3D』。1995年のシルヴェスター・スタローン主演の映画『ジャッジ・ドレッド』の新生版で、主役のドレッドをカール・アーバンが演じている。これら3作品がどのような結果となるのか見ものだ。