柳葉敏郎、長さんとの“踊る”秘話語る「癒されていました」(オリコン) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120922-00000304-oric-movi



15年の歴史の完結編となる、現在公開中の映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』に出演する俳優・柳葉敏郎がORICON STYLEのインタビューで、故・いかりや長介さんとの撮影秘話を明かした。ドラマスタート時から、キャリア組の室井慎次(柳葉)は撮影中も湾岸署の仲間になかなか入れず、離れた場所で一人待っていることも多かったと告白。一人、高まる緊張感と対峙するなか、“和久さん”がふらりと側に来てくれることで「張り詰めたものがスーッと癒されていました」と、懐かしんだ。

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 織田裕二演じる主人公・青島俊作を“サラリーマン刑事”として新たなヒーロー像を打ち出した同作だが、柳葉が演じた室井慎次はもう一人のヒーローだった。柳葉といえばトレンディドラマの顔として、『すてきな片思い』(90年)や『29歳のクリスマス』(94年)など代表作では常に明るく熱血漢な役が多かったが、同作では一転。口数も少なく冗談も通じず、眉間にシワを寄せた姿は、いつしか“柳葉=室井”として定着し、スピンオフ映画『容疑者・室井慎次』が公開されるほどの人気キャラクターとなった。

 「室井はよく戦ってきました。戦いっぱなしでしたね」と盟友の勇姿を称える柳葉。「東北大の室井がキャリア組というのはありえない設定なんです。そんな成り上がりの男ですが、僕が東京へ出て来たときと同じような想いがあるんじゃないかなと。そういう気持ちをずっと忘れずに持って演じてきて、気がついたら15年経っていました」と、役への思い入れは深い。

  『踊る』の出演者やスタッフはそろって「柳葉さんの時は話しやすいが、室井さんになると近づきがたいオーラがあった」と口にするが、本人は「それは勘違い」と笑う。「テレビシリーズのスタート時から僕がどれだけ湾岸署の輪に入りたかったことか。『なんでオレは輪に入れず一人なんだ?』と、結構つらい時間を過ごしてきました(笑)。でも、室井を演じるためにはそうせざるを得なかったんですよね」。作品を成立させるための演者との距離感だった。

 「僕はいつも(撮影現場の)階段のところで座っていることが多くて。時々、いかりやさんが来てくれて、競馬の話とか話し相手をしてくださるんです。張り詰めたものがスーッと癒されていました」と目を細める。劇中の「和久さん」と重なる温かい気遣いに助けられていた。

 先日開催された公開記念の舞台あいさつでも織田が披露した“青島コート”は同作を象徴するアイテムの1つだが、室井にも同様にトレードマークといえる黒のロングコートがある。「僕もあれがないと室井にはなれないですね。青島と同様に室井にとって黒いコートはユニホームです」。最後に、もう1度“室井慎次”へのオファーが来たら? と尋ねると「もちろんやります! 断る役者はいないでしょう」と満面の笑みをみせた。

 1997年からスタートし、今や国民的ヒット作として誰もが知る作品となった映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』は現在公開中。7日の公開からすでに興行収入30億円を突破しており、新記録樹立に期待がかかる。