ジェレミー・レナー、主演に抜擢 映画「ボーン・レガシー」(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120929-00000535-san-ent
記憶を失った暗殺者、ジェイソン・ボーンとCIA(米中央情報局)との死闘を描いた「ボーン」シリーズ3部作は、マット・デイモン(41)がボーンを演じ大ヒット。シリーズ最新作「ボーン・レガシー」(トニー・ギルロイ監督)は3部作の裏側で同時進行する極秘プログラムが存在したという設定だ。主人公の暗殺者、アーロン・クロスには、個性派俳優のジェレミー・レナー(41)が抜擢(ばってき)された。(市川雄二)
クロスは、CIAの人格・肉体改造計画「アウトカム」によって生まれた最高傑作の暗殺者という触れ込み。生年月日と能力は不明だが、「ボーンと違って、クロスは自分が誰なのか知っている」(レナー)。ボーンを生み出した暗殺者養成計画「トレッドストーン」は世間にさらされ、国家の陰謀は崩壊したはずだが、裏で巨大な陰謀が進行していた。ボーンをしのぐ能力を身につけたクロスは、自分の命を狙う者と対峙(たいじ)しながら、同じ境遇となった医師、マルタ(レイチェル・ワイズ)を頼りに打開策を模索する。
シリーズ初登場のレナーは3部作のファンで「10年前の第1弾は好きな『ゴッドファーザー』や『カッコーの巣の上で』といった名画をほうふつさせた。今作に通じるのは『フレンチ・コネクション』だね」。
3部作は「ボーン・アイデンティティー」(2002年)、「ボーン・スプレマシー」(04年)、「ボーン・アルティメイタム」(07年)。デイモンの当たり役を引き継いだわけではないため、「007」シリーズのように歴代のジェームズ・ボンド役が比較されてきた状況とは異なる。
「クロスは志願してアウトカムに参加し、身も心もささげているのに命を狙われる。そんな悲劇的なところが魅力」
アクションが満載で、吹雪の山を進み、崖をよじ登り、敵を殴り、屋根伝いに逃げる。フィリピン・ロケでは、オートバイでマニラの混雑した町中を疾走した。弓の名人を演じた「アベンジャーズ」の撮影終了から今作までに3週間しかなかったが、1日8時間、ムエタイや棒術を習い、野性味あふれる筋肉を作り上げた。
レナーが知られるようになったのは、米アカデミー賞で6部門を受賞した「ハート・ロッカー」(08年)だ。イラクを舞台に米軍危険物処理班の軍曹を演じ、初の主演男優賞候補となった。「俳優としても一人の男としても真のスタートを切ることができた忘れられない作品」と語る。
続く「ザ・タウン」(10年)で同賞助演男優賞候補となったが、遅咲きのためか浮ついたところがない。
「撮影現場にスキップしていけるほどの高揚感があるか。共演者や監督から学べるものはあるか。作品を見極めるポイントはいくつもあるよ」
28日、TOHOシネマズ日劇ほかで全国公開。