月の裏側にナチス・ドイツ!? 監督「あくまでも風刺」(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120930-00000508-san-ent


フィンランド、ドイツ、オーストラリアの共同製作による「アイアン・スカイ」(28日から全国順次公開)は、第二次大戦で敗れたはずのナチス・ドイツが月の裏側に逃げて新たな帝国を築き、地球を侵略しに帰ってくるという奇想天外な物語だ。初来日したティモ・ブオレンソラ監督(32)は「あくまでも風刺で、誇張して描いた」と語った。

 2018年、再選を目指す米大統領から選挙PRのため月に送り込まれた黒人モデル、ワシントン(クリストファー・カービー)は「月面ナチス親衛隊」将校のクラウス(ゲッツ・オットー)に拉致される。ワシントンをガイドに月面総統(ウド・キア)は地球侵略を図る。円盤にクラウスのフィアンセで美貌の地球学者、レナーテ(ユリア・ディーツェ)も乗り込み…。

 きっかけは仲間とサウナに入っていたとき。「脚本家のヤルモ・プスカラが夢の中で自転車をこいでいたら、後ろにアドルフ・ヒトラーが乗っていて『すごいけんまくで怒られた』と言うんだ。目が覚めた瞬間、月からナチスが攻めてくる映画を作らなければと思ったらしい」と監督。「こういうケースは立ち消えになりがちだけど、ナチスが月にいるビジュアルとアイデアの面白さが忘れられず、この映画を必ず実現させたいという気持ちがふくらんだ」

 第二次大戦時、フィンランドはナチスと同盟を結んでいたが「最終的には同盟を破棄し、国土の半分ぐらいをナチスに空襲でやられた」ため、ナチスをタブー視していた。「でもフィンランド人気質として、タブーだからこそ話題にとりあげることが多々あるんだよ」と語った。