私これのチケット貰う時にタイトルを「ポーの最期の5日間」と言ってしまったんですが、というのも私の認識ではエドガー・アラン・ポーは「推理小説の創始者」であっても「推理作家」では決してないからなのですね。
無論私はポーのファンで、小説は中学の時に恐らく全部読みました。創元で全集が出てたので。でも小説は全部読んだし、詩もほとんど読んだけれど、評論の方は投げ出してしまいましたね~。さすがに中学生にはあの評論は難解だわ(そもそも対象にされている作品読んでないし)。で、詩も読むには読みましたが、理解には程遠かったと思います。なんかあんまりにもわかんないので、「私には詩は理解できないんだ」と思い込んでそれ以来ポー以外でも詩集と名のつくものには手を出してない気がするわ。
じゃあ小説なら中学生でも理解できたのかというと……まあ、一応、中学生レベルでの理解はしたし、それに彼の作品の鮮烈なストーリーと美しいタイトルの数々は心に今でも焼き付いているのであります。詩でも「大鴉」だけは印象に残っているしね。
さて、そのポーの最も有名な詩である「大鴉」、原題は「THE RAVEN」、これがこの映画の原題でもあるわけですが、たぶんポーを知らない人にとっては何にもおもしろくない映画なんじゃないかなーと思ったりして。
いや、映像的には結構猟奇な場面がちりばめられているのですが、それを望む人が選ぶんだったら「ポー」じゃなくて「ソウ」でしょう。「ソウ」いうシーンが好きな人にとっては期待が膨らむワリには物足りない感じ。あ、でも考えようによっては「ソウ」の2作目以降のような仕掛け系のホラーも元をたどればポーの作品に行き着くんじゃないかと思うようなシークエンスもあったりして。はい、もちろん作品は「陥穽と振り子」です。
でね、私なんぞはこのようにシーンを見れば「あ、これはあの作品のだ♪」とそれだけでタイトルが浮かぶわけで、それがこの作品を見る上でのひとつのスリルになっていたりするのですが、でもそれって分からない人には分からないだけでスリルでもなんでもないよね? だからこれ、見てる内に……昔で言えば同人誌的な、今で言うならファンフィクション的な……あんまり商業ベースで見るべきようなものじゃないものを見てるような妙な居心地の悪さを感じるのね。
で、ファンフィクですから、言っちゃなんですがミステリーとしての出来は悪いです。
ミステリーとしてではなく、ポーのファンがポーの死に至る謎の5日間がこんなんだったらいいな~♪ と考えたストーリーとして楽しむなら、それはばっちりだと思います。ええ、ファンフィクとしては最高の部類なんじゃないでしょうか。
とはいえそれは飽くまで「ファンフィクとしては」どまりでして、映画としてはどうなのというのはやはりありますね~、残念ながら。だって、ポーのファン以外には、たぶんおもしろくもなんともないもん。よく意味の分からないシーンばかりだろうし。
「リーグ・オブ・レジェンド」をちょっと思い出しましたね。これは有名な本のキャラクターを一堂に会させて活躍させるという話で、作家であるポーを主役にしたてたこの作品とはしょっと趣旨が違うけれど、結局原作や作家についてある程度知っている人しか楽しめないという点で失敗だったのよね。本好きの人って、自分が読んだ本ぐらいは全部他人も読んでるだろうと思い込んでてそれを前提にコトをすすめたり(例えばマンガを書いたり脚本を書いたり)するんだけど、実は世間の人ってそんなに本読んでなくて、それで理解して貰えない場合が多々あるのよね、悲しいことに。
それに比べると「アベンジャーズ」はえらいと思う。原作がコミックだからたぶん本よりも読者層は広いのだろうけれど、それを映画化するにあたってものすごく慎重に段階をおって進めてきてたもの。登場するメインのキャラ一人一人の映画を作った上で、さらにそれぞれの作品を見ていなかったとしても、「アベンジャーズ」だけ見てもおもしろいという脚本に仕上げたのはスゴイですよ。
「ポー」も俳優さん達は文句なしなのですよ。ジョン・キューザックとルーク・エヴァンスはもちろん、ルークの部下役のおまわりさん達がみなさんハンサムで目に嬉しいのでした。女優さんの方はそれに比べると物足りなかったかな? あ、「トロイ」のメネラウスことブレンダン・グリーソンと「パイレーツ」のギブスさんことケヴィン・マクナリーが出てました。そこまで出したんならオーランドも出せ!(←完全に難癖)
なんだか、なんともいえない、微妙に消化不良な感じのする映画なのでした。
無論私はポーのファンで、小説は中学の時に恐らく全部読みました。創元で全集が出てた
じゃあ小説なら中学生でも理解できたのかというと……まあ、一応、中学生レベルでの理
さて、そのポーの最も有名な詩である「大鴉」、原題は「THE RAVEN」、これがこの映画の原題でもあるわけですが、たぶんポーを知らない人にと
いや、映像的には結構猟奇な場面がちりばめられているのですが、それを望む人が選ぶん
でね、私なんぞはこのようにシーンを見れば「あ、これはあの作品のだ♪」とそれだけで
で、ファンフィクですから、言っちゃなんですがミステリーとしての出来は悪いです。
ミステリーとしてではなく、ポーのファンがポーの死に至る謎の5日間がこんなんだった
とはいえそれは飽くまで「ファンフィクとしては」どまりでして、映画としてはどうなの
「リーグ・オブ・レジェンド」をちょっと思い出しましたね。これは有名な本のキャラク
それに比べると「アベンジャーズ」はえらいと思う。原作がコミックだからたぶん本より
「ポー」も俳優さん達は文句なしなのですよ。ジョン・キューザックとルーク・エヴァン
なんだか、なんともいえない、微妙に消化不良な感じのする映画なのでした。