クリスチャン・ベイル インタビュー 『ダークナイト』シリーズ7年間に万感の思い(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121204-00000005-cine-movi
クリストファー・ノーランが「バットマン」に新たなる解釈描き上げた最高傑作『ダークナイト』シリーズ。ノーラン監督が描く革新的な映像美と壮大な世界観で、公開を迎えるたびに話題をさらってきた本作で、2005年から7年間、バットマンこと主人公・ブルース・ウェインを演じたことは、俳優クリスチャン・ベイルにどんな意味をもたらしたのか? まもなく『ダークナイト ライジング』のDVD&ブルーレイがリリースとなる今、改めてクリスチャンにその胸の内を語ってもらった。
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“闇の騎士”バットマンがジョーカーを葬ってから8年の世界が描かれる本作。平穏な日々で満たされていたかのように見えた“ゴッサム・シティ”を揺るがす、破壊者・ベインが姿を現したことで、世界の様相は一変する…。
まずは、壮絶なラストで幕が引かれた『ダークナイト』から8年後という設定。この描かれることのない8年という歳月を、クリスチャンはどのように解釈していたのだろうか?
「ストーリーの冒頭は『ダークナイト』の終盤で作り上げられた虚構のツケが廻ってきた状態を描いているんだ。虚構は社会の秩序を保ち、希望を保つためのものであったけど、いずれ真実は暴かれる。虚構はその場しのぎとしては功を奏した。おかげで人々は希望を持つことができたんだ。ただ、それがいつまでも続くわけがなく、ゴッサムでは今、その歪みが表面化しつつある…といった状態なんだ。バットマンは消えてしまい、ブルース・ウェインも見る影もなく、完全に世捨て人と化しているんだ。彼は一連のことで自責の念に苛まれていて、誰にも会いたくないんだ。世間との関係を完全に断ち切ってしまっている。体を鍛えるようなことも一切しておらず、衰弱している。精神的にも疲れ果てているんだ」。
と惨憺たる様子で、長い歳月によってブルースは“ヒーロー”でなくなってしまったと語る。そんな彼が『ダークナイト ライジング』では、アンハサウェイ演じるキャット・ウーマンやジョセフ・ゴードン=レヴィット演じる若き警官・ジョンたちに触れることで、ひとりの人間として、そして多くの人々の希望を背負ったヒーローとして再び復活を果たすこととなる。
そんなどんな正義のヒーローでも、どんな凶悪なヒールでも、マスクを一枚はがせば悩みを抱えたただの人間――というのが、アメコミ作品の魅力の一つ。本シリーズを通して“ヒーロー”であるバットマンと、世界的な大富豪だが“ひとりの人間”であるブルースとをどのように演じ分けてきたのだろうか。クリスチャンは「ブルースとバットマンは結局、同一人物だよ」と語るが、その真意は?
「ブルースは多重人格者なんだ(笑)。ただ、バットマンはブルースに内在するいくつもの人格の延長線上にあるもの。両親の殺害現場を目撃するという不幸な過去をひきずる内気な寂しい子供のようなブルースもいれば、パフォーマンスばかりで実際にはなんの役にも立たないと思われているプレイボーイのブルースもいる。そして、バットマンは誠実なんだ。世の中の不正に対する憤りや、人の役に立ちたいという気持ちや、ゴッサム・シティを破壊しようとする輩を阻止したいという気持ちを昇華させた誠実さこそがバットマンなんだよ。だからバットマンとブルースを別々のものとして考えたことはないんだ。でないと、なんでこんな“変なスーツ”を着込んで走り回らないといけないんだろう? ということになるだろ(笑)。スーツを着込んでも、尚その獰猛性に説得力を持たせるには、そもそも怪物のような人物に仕立てあげなければならなかったんだ」。
そして、そんな人間味にあふれたどん底の状態の“ダークヒーロー”バットマンが本作で対峙するのは、外見からして恐ろしい悪役・ベインだ。このシリーズ最大にして最凶の敵を演じたトム・ハーディとのバトルシーンには、意外な落とし穴があったとも…。
「基本的なところからして難しいシーンがいくつかあったね。僕の声がトムに聞こえなかったり、逆に彼の声が聞こえなかったりするときもあったよ(笑)。だからお互いに襲いかかる前に喋る台詞の内容が分かるよう、手話みたいなジェスチャーを決めたりしたんだ」。
そうやって普通の人間としての葛藤に苦しんだり、「変なスーツ」に悪戦苦闘したりとクリスチャンにとってたくさんの思い出が詰まった本作。最後に、この大人気となったシリーズ3部作を経て、俳優として大きな変化があったと明かしてくれた。
「大いに意義深い体験になったね! 一つのシリーズで同じキャラクターを3回にわたって演じるというのは初めてだったし。僕の人生や家族の人生を大いに変える体験となったよ。それと、こういう大作でも、ちゃんと中身をもたせて、キャラクターをしっかり作り込むことができるということも分かった。それに、いままで夢にも見なかった仕事の声がかかるきっかけにもなったんだ。キャリアの観点から言っても、いままでは監督から声がかかっても出資者は興味を持ってくれないという状態が続いていたけれど、いまだと映画を製作する資金がちゃんと集まるんだ。全てバットマンのおかげさ(笑)」。
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発売/販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:12月5日(水) ※同日レンタル&オンデマンド配信開始
公式サイト:http://www.whv.jp/
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