今年の映画を振り返る 予想を超えた大ヒットは2作品(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121225-00000506-san-movi
今年の映画界は昨年に続いて洋画が不振だったが、その落ち込みを邦画が補うことで全体の興行収入は昨年(1812億円)を上回りそうだ。予想を超えるヒットという観点では、邦画は「テルマエ・ロマエ」、洋画は「最強のふたり」が最も注目を集めた。(市川雄二)
日本映画製作者連盟によると、10月末現在、大手13社の興行収入は1492億円で、昨年同期の104%となっている。
◆20億予想が3倍に
4月に公開された「テルマエ・ロマエ」が大ヒット。配給の東宝は当初、20億円を見込んでいたが、その3倍にふくらんだ。同社の市川南取締役は「古代ローマ人を日本人が演じるのを見たことがなく、笑えるというのも大きかった。世代を超えて支持された」と話す。
洋画ではロングラン上映中の仏作品「最強のふたり」が目を引く。配給のギャガによると、48館のスタートだったが、最大139館まで拡大。この規模で興収15億円は大成功といえる。早い段階で一般試写を行ったことで口コミにつながり、予告編も効果を発揮。「障害者と黒人という一見ハードルを上げそうな2人のバディームービー(相棒映画)だが、笑いと感動の案配がうまくいったのでは」(同社)とみる。
◆名優の復活で健闘
6年ぶり205本目の出演となった「あなたへ」の高倉健(81)や「北のカナリアたち」で元教師役を演じた吉永小百合(67)と、日本を代表する俳優がそろって新作を発表したのも話題になった。中でも「あなたへ」は23・9億円と健闘した。
斬新なアクションに見応えのあった時代劇「るろうに剣心」、沢尻エリカの復活劇とPR活動休止が劇中とシンクロした「ヘルタースケルター」などが邦画界をにぎわした。
◆バイオは日米逆転
全米で大ヒットした「アベンジャーズ」や「ダークナイト ライジング」といったアメリカン・コミックを下敷きにした洋画が今夏の話題をさらったが、配給各社が期待したほどの伸びはなかった。逆に「バイオハザードV リトリビューション」は全米での4200万ドル(約34億円)に対し、「日本の興収が米国を上回る希有(けう)な作品」(配給のソニー・ピクチャーズ)となった。
俳優では秀作「アルゴ」の製作、監督、主演のベン・アフレック(40)、「007 スカイフォール」のダニエル・クレイグ(44)、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で米アカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープ(63)らが目立った。