アメコミの第一人者が2012年アメコミ映画を振り返る(ぴあ映画生活) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121228-00000004-piaeiga-movi


2012年はアメコミ映画の大作が次々と公開、メガヒットが相次ぎ、アメコミファンを長く待たせた『ゴーストライダー2』の公開も決定。まさにアメコミイヤーだった。そこで、アメコミの第一人者、杉山すぴ豊氏がこの1年を振り返った。

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2012年は6月の『アメイジング・スパイダーマン』を皮切りに、7月に『ダークナイト・ライジング』、8月には『アベンジャーズ』が公開。「アメコミファンにとってはオリンピックとワールドカップ、おまけにワールド・ベースボール・クラシックまでいっぺんに来たかのようなお祭り騒ぎでした。マヤ文明によれば、2012年は人類が滅びる年だったそうですが、ファンにとっては、この3作を見ずして人類が滅びるなんてあり得ないぐらいの凄い年だったと思います」。

三者三様のプレッシャーもあったはずだが、どの作品も高い評価を受け、興行的にもしっかりと数字をあげている。「実は、『アメイジング・スパイダーマン』はサム・ライミ監督が降板して心配していたのですが、そんなプレッシャーを跳ね返して素晴らしい作品になりました。この作品がまた新たなスパイダーマンファンを作っていくのではないでしょうか。『ダークナイト・ライジング』もとてもよかったのですが、唯一の欠点は、これでバットマンが見られなくなってしまうという寂しさです。クリストファー・ノーラン監督は、今回、原作のバットマンの要素を彼なりに表現し、ファンに対してきちんと応えてくれました。この作品のリアリティは、マスクをつけたヒーローが実際にいたら、こんなことをするのではないかというところを徹底的に表現したところにあると思います。『アベンジャーズ』は、これはもう設定からして勝ちという映画でしたが、そんな状況に甘えないできちんと映画に向き合って作ったというところが素晴らしい。リアリティを追求した『ダークナイト・ライジング』とは違って、エイリアンが最初から英語を話している時点で非現実的ですが、ヒーロー同士で喧嘩しているところなんかは、僕たちの日常の仕事風景みたい。そんなところにすごくリアリティがありましたね」。

何よりも今年は従来のアメコミファンだけでなく、女性や子供まで確実にファン層が広がった感がある。杉山氏も実際に、映画館で女の子たちが「ハルク強すぎ~」と話し、子供たちがピカチュウではなくアイアンマンのフィギュアが欲しいと言っている場を目の当たりにして目を疑ったそうだ。「アメコミファンは1都道府県に1人ぐらいなんて言われていた頃に比べたら隔世の感があります。ずいぶん凄い時代がやってきたなぁと驚きました」と感慨深げに振り返る。

しかし、実はアメコミファンが期待していた映画がもう一本あった。「『ゴーストライダー2』はアメリカでは既に封切られていたのになかなか公開されず、ファンはどうなるのかとヤキモキしていました。来年2月8日に公開が決まり、2012年‘度’というアメコミイヤーを締めくくる最後の一作ということでさらに盛り上がっています。しかも、天下の丸の内ピカデリーの公開ですからね。本当に幸せです」。

『ゴーストライダー2』
2013年2月8日(金)丸の内ピカデリー他全国ロードショー