『LOOPER』ジョゼフ・ゴードン=レヴィット「もし未来の自分に会うことができたら何を言う?」(Movie Walker) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000011-mvwalk-movi
タイムスリップによって30年後の世界からやって来た自分と対峙することになる暗殺者の数奇な運命を描くSFアクション『LOOPER ルーパー』が現在公開中だ。若手有望株のジョゼフ・ゴードン=レヴィットが暗殺者を、ブルース・ウィリスが30年後の主人公に扮し初共演。監督・脚本は『BRICK ブリック』(06)でもジョゼフとコンビを組んだライアン・ジョンソンだ。さらにライアン監督は、最初から主人公にジョゼフを当てて本作を作ったという。今回、ジョゼフに監督との関係なども踏まえて話を聞いた。
【写真を見る】ライアン・ジョンソン監督とは『BRICK ブリック』以来の友人だという
――ライアン・ジョンソンは『BRICK ブリック』以来の友人ということですが、あなたにとって彼はどんな人物なのでしょうか?
「ライアンとは本当に親友と呼べる存在で、『BRICKブリック』以来の10年来の付き合いなんだ。彼は真のストーリーテナーだよ。今回はアクション大作だし、視覚的にも刺激的な作品でもあるんだけれども、キャラクターに感情移入できなければそれは良い作品ではないと僕は思っている。彼はそれを可能にするんだ。彼の映画作家としての力は、クリストファー・ノーランとも同じで、アクション大作であっても、キャラクター、物語、演技を優先順位として高く置いている。スタントやVFXがどんなに素晴らしくてもキャラクターのことを思えなければ作品自体が良いとは思えないし、観客も同じことを感じるだろうということを彼はよく理解しているよ」
――本作は10年ぐらい前から温めていた作品で、あなたのために主人公を書いていますね。キャラクター作りで一番苦労した点、逆に楽しかった点を教えてください
「自分を想定して脚本を書いてもらったことは初めての経験だった。主人公はマイナスな面もあるので自分とは違ってほしいなと思っているんだけれども(笑)。今回挑戦だったのは、まずは何といっても映画の設定。もし未来の自分に会うことができたら何を言うか?が前提になっている作品で、未来の自分をブルース・ウィリスが演じていて、つまり自分と同じキャラクターを演じている。それだけに最初の瞬間から同一人物を演じているということを信じてほしかった。外見は似てないふたりだからね(笑)。キャラクター作りにおいて必要だったことは2つ。1つは素晴らしい特殊メイクが力を貸してくれて、実は日本の辻一弘さんが特殊メイクに入っていてね。彼は素晴らしいアーティスト。まるでマジシャンのような仕事ぶりで、彼のアプローチは非常に素晴らしいんだ。実は『G.I.ジョー』のSFXの僕の担当だったのが知り合ったきっかけで、その時にとても素晴らしかったから、ライアン監督に「絶対、カズを使ってほしい」と勧めたんだ。カズは『G.I.ジョー』など大作に起用される素晴らしい人なんだけど、今回、SFで大作ではあるけど予算的には他の大作よりはこじんまりとしている。でも、そういう作品でも製作費にかかわらず力を貸してくれるところも、彼の素晴らしいところなんだ。もう1つのポイントは“自分がいかにブルース・ウィリスを学ぶか”ということ。彼の話しぶり、物腰、歩き方、姿勢、エネルギーなどを学びとらなければいけないと思ったから、特に出演作を見まくったよ。音だけをデータにして自分のiPodに入れて、それを何度も何度もループで聞いたりして、彼に自分を似せるという作業をしたんだ」
――本作ではプロデューサーもなさっていますが、資金面で苦労したと聞いています。ブルースが出演することで始動できたということですが、やはりブルースのようなクラスの俳優が出演すると違うものですか?あなたも十分に人気があって、観客を呼べる俳優だと思いますが。日本でもあなたのファンはとても多いのですよ!
「(日本にもファンがいて、あなただけでも作品が成立しそうなのに、というコメントにすごく喜んでくれて、嬉しいと言ってくれた後に、)作品において今回、ブルースが役にぴったりだったんだ。つまり、資金集めにおいてブルースがお金を持って来てくれるからキャスティングしたわけでは決してなくて、彼が本当にこの役にぴったりだった。ブルースはもちろん興行成績という形で出演作が経済的な成功につながっている役者なんだけれども、それよりも彼の役者として偉大なところというのは、本当に単に素晴らしい演者であるということだよ」
――本作はとても複雑な映画ですが、見れば見るほど奥が深く、楽しめる作品ですね。何より観客がじっくり考えなが見られる人間ドラマだと思います。もしあなたがこの作品を見る観客にポイントとして1つアドバイスするなら、何でしょうか?
「この物語の前提は“自分が未来の自分に何か言えるとしたら何を言うか”というのがコンセプトだから単純でしょ?もちろん、プロットがないアクション作品に比べたらプロットはあるけど、実際に物語のキャラクターの感情面にきっちりとついてきてくれれば難しくないよ。複雑だというふうにみんな何となくイメージを持ってしまって映画を見に行くと、実際の作品よりも複雑なんじゃないかと自分を追い込んでしまうから、あんまり考えないで、複雑だという先入観なしで是非劇場に来てほしいな」
――『インセプション』(10)の撮影で少しの時間、日本に滞在されていますが、この先、来日予定はないでしょうか?『ダークナイト ライジング』では非常に残念でした。日本のファンがあなたを待っています!
「実は日本に来たのは一回だけ。『インセプション』の撮影で5、6日の滞在だった。いつの日か日本に戻りたいと思っているんだ。楽しみにしているんだけれども。もともと大都市が好きで、ニューヨークでもパリでもロンドンでも、ただその都市を歩き回って、色々見るのが好きなんだ。東京はまさにぴったりの都市で、歩いていても人もいっぱいいるし、それぞれが自分のスタイルや個性を持っている人たちばかりで、それがとても大きな魅力だよ。早くまた来日したいな」