「空気感が…」「初めてじゃ…」 宮崎あおい&向井理 “いい感じ”で初共演(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130201-00000544-san-movi


映画「きいろいゾウ」で、宮崎あおい(27)と向井理(おさむ)(30)が夫婦役を演じている。2人は初共演だが、宮崎は「1つ目のシーンを撮るときから、言葉を交わさなくても空気感が合った」、向井は「初めてじゃない感じで、夫婦役を無理なくできた」と、互いに相性の良さを口にする。(市川雄二)

 満月の夜に出会い、すぐに結婚したツマ(宮崎)とムコ(向井)は、お互いの秘密を知らないまま暮らし始める。幼い頃に入院生活を経験したツマは絵本「きいろいゾウ」を読むことで孤独な日々を癒やす子だった。大人になっても空想に浸り、木々や動物たちとの会話を楽しんでいる。売れない作家のムコは、そんなツマとの暮らしを楽しんでいた。が、ムコあてに届いた手紙をきっかけに、2人の関係が揺らぎ始める。

 西加奈子の原作に2人とも共鳴した。宮崎はツマについて「思ったことを顔に出しちゃうし、子供みたいなところがあるので、一緒にいると大変かもしれないけど、人間らしいすてきな人」と丸ごと包み込む。向井はムコを演じるにあたり「ツマを見守ることを一番大事にした」と話す。

 ロケは三重県で行われた。2人で海に行く車中のシーンは、運転席から見守るムコとだだをこねるツマのやりとりが見応えある。ツマはせりふで「ムコさんはうちの話を全然聞いてくれへん」と怒りをぶつける。その前後、ムコのツマに注ぐ視線のもっていきかたが絶妙だ。廣木隆一監督(59)から細かい指示はなく、長回しだったこともあり、自然とできたという。「安全第一なので運転に集中しないといけないけど、機嫌が悪くなっていく相方を見ていて気にはなるし、感じたまんまやっていただけです」と向井。

 宮崎は台本を読んでいるときから難しい場面だと思っていた。「ツマさんの中ではつじつまが合っているけど、端から見ると訳が分からなくなるほど感情が上下するので、思うようにできず、5、6回は本番をしていただいた。できあがったものを見ると、ムコさんが面倒くさそうな顔をしている瞬間があって、申し訳ないなあと思いましたね」とムコに同情する。

 宮崎はNHK大河ドラマ「篤姫」(平成20年)や昨年公開の映画「わが母の記」などで演技に磨きがかかっている。NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(22年)で人気者になった向井も、映画「新しい靴を買わなくちゃ」(24年)や舞台「悼む人」(同)などの好演で力を増している。

 「経験を重ねるほど、無力だと感じることが増えてきた」(宮崎)、「作品に出る度にだめなところや共演者のすごさを見ると、自分はまだまだと思う」(向井)と役者道の深みを感じているが、特に今回は演じがいがあったようだ。

 2日、東京・新宿ピカデリーなどで全国公開。