伝説のすし職人に米国人が迫る 映画「二郎は鮨の夢を見る」(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130201-00000564-san-movi


 日本を代表するすし職人の姿を米国人が撮ったドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」。主人公は東京・銀座のすし店「すきやばし次郎本店」の初代店主、小野二郎氏(87)で、同店はレストランなどの格付け本「ミシュランガイド東京」で2007年に最高評価の「三つ星」を受けて以来、6年連続で三つ星に選ばれている名店だ。

〔フォト〕映画「二郎は鮨の夢を見る」のワンシーン

 監督、製作、撮影を手がけたデビッド・ゲルブ(29)は、子供の頃から家族旅行で何度も日本を訪れ、コハダ、中トロ、ウニが大好物。すしを題材にした映画を撮ろうと企画し、父親のメトロポリタン・オペラ総帥、ピーター・ゲルブ氏(59)が料理評論家、山本益博氏(64)と知り合いのため山本氏に小野氏を紹介してもらった。

 「山本さんが二郎さんに『彼(ゲルブ監督)なら大丈夫』といってくださった。最初はカメラを持たずに観察し、私の存在に慣れてもらおうとした。カメラを回すようになってからも、私の考えを押しつけたりせず、ただ耳を傾けた」

 約3カ月間、東京と小野氏の故郷・静岡県に密着。小野氏は扱う魚の味をしっかり確かめ、弟子を細やかに指導し、すしを完璧に作り上げる。妥協のない姿勢が息子たちにどう影響を与えたかもとらえている。

 音楽はモーツァルトから昨年世界文化賞を受賞したフィリップ・グラス氏(75)の作品まで取り入れた。握る姿を、時にはスローモーションで撮り、クラシックの旋律とモダンな映像は格調高さを生んでいる。「二郎さんのキャラクターに合う映画を作ろうとした結果」だという。

 2日から、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町などで全国順次公開。