『オズ』サム・ライミ監督「臨場感とダイナミックさを3Dで体感してもらえるよ」(Movie Walker) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130214-00000010-mvwalk-movi
ライマン・フランク・ボームによる不朽の名作「オズの魔法使い」の前日談を完全映画化した『オズ はじまりの戦い』が3月8日(金)に公開される。本作は『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ監督と、『アリス・イン・ワンダーランド』(10)のスタッフが偉大なる魔法使いオズの誕生を描いたアクションファンタジーだ。小さなサーカス団で働くペテン魔術師のオスカー・ディグズ(後のオズ)をジェームズ・フランコが演じ、ミシェル・ウィリアムズ、レイチェル・ワイズ、ミラ・クニスが3人の美しい魔女を演じる。本作の完成に向けて鋭意製作中のサム・ライミ監督に話を聞いた。
【写真を見る】サム・ライミ監督、魔女を演じるミシェル・ウィリアムズとミラ・クニス
――初めての3D映画ですが、製作過程で苦労された点はどこでしょう?
「3Dでの撮影で一番苦労したのは、何と言っても照明ですね。3D用二眼式カメラはかなりの明るさが必要になり、最大パワーの照明機材でガンガンに光を当てたのでセット内に熱がこもって大変でしたが、3Dならではの奥行きが存分に堪能できる映像にするためにはやむを得ません。果てしない広がりが体感できる3D映像の醍醐味をたっぷり味わってもらいたいですからね」
――特に3Dを意識して製作したシーンがあれば教えてください
「幾つかありますが、1つは気球に乗った主人公オスカーが、竜巻に飲まれてオズへと飛ばされるシーン。ものすごい勢いで渦巻く竜巻に飲み込まれてしまったような臨場感を観客に与えるべく、目一杯立体的な映像を心がけました。それからもう1つは悪い魔女に仕える、空飛ぶ猿の軍団が登場するシーン。自由自在に空を翔る猿たちのダイナミックな動きを3Dでよりリアルに体感してもらえると思いますよ」
――監督が今作で初めて試みたことはありますか?
「映画の舞台となる世界を全てCGで一から作り上げるということに挑戦したのは今回が初めてでしたね。『スパイダーマン』の時はCGと言っても、背景の建物幾つかと、スタントでは無理なアクションシーンでのスパイダーマンくらいのものでしたが、この映画では花の一輪から葉っぱの一枚、木の一本から蝶の一匹に至るまで、何もかもがCGアーティストの手で作られています。様相の統一感を保ちつつ、目にしたこともないようなユニークでファンタスティックな世界観をCGで作り上げるのはすごく難しいチャレンジでした」
――ジェームズ・フランコとは旧知の仲ですが、今回彼を起用した一番の理由を教えてください
「彼を起用した理由は幾つかありますが、まずは年齢的なこと。数々のアクションシーンでスタントをこなす必要があることから、運動神経と体力を兼ね備えた、ある程度若い俳優じゃなきゃ駄目だと思ったんです。若さということに関してもう一つ言うと、ジェームズ自身がこの先、どういった方向に進んで行くのか、どんな自分を模索して行くのかといった、本当の意味での“人生のスタート地点”に立っているというのも面白いと思いました。主人公と重なる部分もありますし、観客にしても、自分の生き方といったものが既に確立されているような年齢層の俳優が演じるより、はるかに共感しやすいはずですからね。あとはもちろん演技力ということもありますが、何より決め手となったのは、演じるキャラクターとの共通性かもしれません。出会った頃の彼には、駆け出しの若手俳優にありがちな、ちょっと自分本位で生意気な部分があったんですが(笑)。その後、一緒に仕事をしてきた12年程を通して、目覚ましい変化を遂げ、今では自分を差し置いてまでも他人のことを気遣うような、思いやり深いチームプレイヤーへと成長しました。彼自身が体験したこういった人間的な成長は、主人公オスカーがこの映画の物語でたどる心の旅路そのものです。冒頭のオスカーみたいに身勝手だった頃の自分を思い出しながら、彼自身が歩んできた変化の道のりを振り返って演じることができたたなら、ことのほかリアルで共感できるキャラクターになるはずだと確信していたのです」
――オズの世界を愛する人々に、今回の映画のどんなシーン、キャラクターを気に入ってもらえると考えますか?
「陶器の少女は間違いなく気に入ってもらえるでしょうね。でも、オズの魔法使いこと主人公オズも、きっと気に入ってくれるはず。原作小説のファンは『この男はいったい何者なのだろう?どこからここにやって来て、どうやって偉大なる支配者の座を手に入れたのだろう?』といった長年の疑問を解き明かすこの映画を興味津々で楽しんでくれると思いますよ」
アクション超大作からホラー映画まで、様々な作品でファンを魅了してきたサム・ライミ監督が、ディズニーとタッグを組んでどんな新しいファンタジーの世界を見せてくれるのか。主人公オズや翼の生えた猿フィンリー、陶器の少女、美しすぎる3人の魔女たちなど、個性的な登場キャラクターの活躍に期待が高まる。