ブラッド・ピット主演のゾンビ映画『ワールド・ウォー Z』、中国向けに映像を編集(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130402-00000005-cine-movi


ブラッド・ピットが主演を務めるゾンビとの壮絶な戦いを描いた『ワールド・ウォー Z』。

【写真】ブラッド・ピット、『ワールド・ウォー Z』撮影風景

この製作費1億7,500万ドル(約157億円)をかけた大作について、パラマウント・ピクチャーズが中国向けに映像を編集したことが映画情報サイト「The Wrap」の取材によって明らかになった。

今回、パラマウントの幹部が編集を余儀なくされた問題のシーンは、ゾンビの大量発生を引き起こしたのが中国の辺境の地にまつわるゾンビ黙示録の存在という非常に細かなプロットの部分だ。

通常、ハリウッドの映画会社の幹部が議論するに値しないほんの些細なプロットなのだが、いまやハリウッドが無視できぬほど大きく成長した中国市場を勘案し、中国の厳しい検閲をクリアできるよう、パラマウントは本作のプロデューサーたちに問題のシーンを中国からほかの国に差し替えるよう指示を出したのだという。

この変更は、急速に成長する中国市場において、本作が中国で公開されるよう、また興行的にダメージを受けないようにとられた策で、パラマウントの事情を知るある関係者は「決して大きなプロットの変更ではないにしろ、中国を重要視している会社幹部にとっては、その変更が必要と思われたのでしょう」と語っている。

2012年、中国の興行収入は前年比36%増27億ドル(約2,430億円)と、日本を抜いて、アメリカ以外の国では最大のマーケットとなった。あるアナリストは、2020年までに、中国はアメリカをも抜き、世界最大の興行収入をたたき出す国になるだろうと分析している。

中国が、国内で公開する外国映画の数の制限を緩和する一方、映画会社側は、前例のないプロットの変更や配給戦略、キャスティングなどハリウッドの映画製作に大きな影響をもたらす新たな問題を抱えることになっている。

先だってマーヴェル・スタジオが発表した『アイアンマン3』の中国向け特別バージョン製作なども、さらに中国市場の拡大を促すきっかけになるだろう。