ガンダム誕生から34年 宇宙駆ける「ロボットの聖地」を訪ねた(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130403-00000596-san-ent
ロボットアニメを代表する「機動戦士ガンダム」。23歳の私が生まれる遥か前に誕生し、大人になった今も若者たちのヒーローだ。ガンダムを生み出したメカニカルデザイナーの大河原邦男さんのアトリエや、プラモデルの聖地「バンダイホビーセンター」(静岡市)を訪ね、ロボット人気の舞台裏に迫った。
ショーケースにずらりと並んだガンダムのプラモデル。ファンの間で「ガンプラ」と呼ばれ、これまでに4億を超える数が出荷された。
ホビーセンターではスタッフが地球連邦軍を模した制服でコンピューターを操作している。役職によって服の色や階級章が違い、背中には「匠」の文字。あらゆる場所にガンプラが置かれており、見学会に訪れたファンからは「うらやましい」の声が上がるという。
通路で撮影していると「ピーピーピー!」と警告音を響かせ赤い物体が近づいてくる。ボディーには「諸君! 危険なので通路をさえぎらないでいただきたい!」というメッセージが。正体は「シャア専用ザク」を模した自動搬送ロボット。相手はシャア・アズナブル、逆らっても勝ち目はないので素直に道を譲った。
センターの技術力を実感したのが1円玉より小さい1700分の1のガンダム。ルーペで拡大すると表情まで再現されていた。
「常にリアルを追求」。ホビー事業部管理チームの鈴木智子さんの口癖。スタッフ全員のプラモデルへの愛が、より本物に近い作品を生み出す原動力だ。
ガンダムの原点を求めて、メカニカルデザイナーとして数々のロボットのデザインを手がける大河原邦男さんのアトリエを訪ねた。大河原さんはガンダムを始め「タイムボカン」、「太陽の牙ダグラム」などの生みの親だ。
部屋に入ると赤く輝くザクが目に飛び込んだ。デスクには100色を超えるペンや使い込まれた筆が置かれている。この小さな空間から宇宙を駆け回るメカが生み出されている…。ガンダムやダグラムが生まれた小さな机は、宇宙につながっていた。
ガンダムが大地に立ってから34年。人型のロボットは生活の一部になり、災害救助ロボットが人間には不可能な仕事に挑んでいる。
巨大ロボットが宇宙を駆ける日はまだ遠いかもしれない。だからこそ彼らの存在は私たちに大きな夢を与えてくれる。