一つ前の記事で「ラストスタンド」におけるシュワは全員集合してた頃のドリフターズではいかりや長介にあたるなんて書きましたけれど、それすなわち本人はリーダーとしてでんと構えているだけで、メインのお笑い担当は別にいるということなんですよ。つまり加藤茶や志村けんの立場にあたる人。それが「ジャッカス」に出ていたジョニー・ノックスヴィル、彼が「ラストスタンド」のギャグをほぼ一手に引き受けているんです。だからまあ、彼が出てきたらその時点でそのシーンは笑っていいことになっていると思って間違いなしです。っていうか、「ラストスタンド」見て爆笑するシーンがあったなら、そこにいるのがジョニーですわ。


「ジャッカス」の日本の知名度がどの程度か私には見当がつかないのですが、アメリカでは劇場公開作で3本作られているぐらいですから大変人気がある……らしいです。3本目の「ジャッカス3D」は公開された週の興行成績第一位に輝いてますし。私が見たのは日本で公開された「ジャッカス ナンバー2」ですが……おもしろいっちゃおもしろいのですが、あまりにもお下劣なのでこんなバカ映画見に行った自分がバカだと心底思いましたわ。いや、笑ったんだけどね。これはもう正真正銘、究極のバカ映画でした。


こういう場合、普通「究極の」は「バカ映画」全体を修飾するものですが、「ジャッカス」の場合は「バカ」にしかかかりません。つまり「究極のバカ」の映画。「オバカ映画」なら普通の人がなんともバカな役を真剣に演じることで笑いをとるものですが、「ジャッカス」は「バカ」の映画なので、い~い大人がバカなコトをしでかしているのを見せつけられる映画になります。「ナンバー2」なんか、あんまり真剣に見ると吐きそうになる場面がたくさん出てきました(なにしろ「ナンバー2」には「大便」という意味もあるそうで)。肛門期を脱し切れていないかの如きこの幼児性の炸裂ぶりは「ムカデ人間2」にも匹敵しますね


ただ、「ムカデ人間」シリーズが閉鎖的な環境の中で自分自身の内面に巣食う幼児性とたった一人で対峙する内に次第に狂気に蝕まれていく……という、閉塞的な世界観であるのに対し、「ジャッカス」シリーズの場合「友達と一緒にバカな事をやったのを周囲の人に見て貰いたい」までが幼児性の発露なのでとことん開放的なんですわ。ほら、あのクレヨンしんちゃんがしょっちゅう自分の「象さん」を見せたがるアレ。「ジャッカス」のレベルって、ソレ。も~お見てると登場人物に指突きつけて叫んでやりたくなりますよ、

「あんた達、ほんとバカ」

って。賢い子どもの方がまだマシだ。


しかし賢い子どもよりクレヨンしんちゃんの方が面白いように、「ジャッカス」も見てればおかしくて笑っちゃうのです(吐きそうにならない時はね)。


で、その「ジャッカス」で研鑽を積んだ(ひたすらバカをやった)ジョニー・ノックスヴィルが「ラストスタンド」に出て、い~い大人がクレヨンしんちゃんみたいなことをやってるわけですよ。

これがおかしくないわけがない!

彼の一挙手一投足が笑えます。笑っていいんです。だってジョニー・ノックスヴィルはそのために生きてるんだから。「ラストスタンド」で彼を見たら思い切り笑ってやりましょう。


ジョニーのことを知らない人でも大丈夫。彼が登場した瞬間、そのカッコを見ただけでもう吹き出しちゃいますから♪


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