- O・ブルーム、『ロード・オブ・ザ・リング』のオモシロ動画を使ってファンサービス
オーランド・ブルームが、出世作となった映画『ロード・オブ・ザ・リング』外伝シリーズ、『ホビット』最終章『The Hobbit:There And Back Again/ホビット:ゆきて帰りし物語』の撮影を終えた記念に、ピーター・ジャクソン監督とオモシロ動画を作成。監督は「グッドバイ・オーランド」というタイトルでYouTubeに掲載し、ファンを大喜びさせている。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは、イギリス作家J.R.R.トールキンの人気ファンタジー冒険小説『指輪物語』を映画化したもの。物語の舞台となる架空の世界「中つ国」が幻想的であること、冒険と戦いの物語が壮大であることから映像化は不可能といわれたが、ジャクソン監督が母国ニュージーランドで2億8,500万ドル(約285億円)を費やし3部作同時に撮影。2001年に『旅の仲間』、02年に『二つの塔』、03年に『王の帰還』としてリリースしたところ、「不可能を可能にした」と大絶賛され、爆発的なヒットに。3部作合わせて全世界で29億2,000万ドル(約2,920億円)の興収を記録した。
現在撮影中の『ホビット』シリーズは、『ロード・オブ・ザ・リング』より60年前の中つ国が舞台となっており、ホビット族のビルボ・バギンズがドワーフ王国の再建をかけて冒険の旅に出る姿が描かれている。『ホビット』も3部作として制作されており、12年12月に第1弾となる『思いがけない冒険』が公開されており、今年12月に『スマウグの荒らし場』、14年12月に『ゆきて帰りし物語』が公開される予定となっている。
『ロード・オブ・ザ・リング』でおなじみのガンダルフ役のイアン・マッケラン、フロド・バギンズ役のイライジャ・ウッド、そして、レゴラス役のオーランド・ブルームも出演しており、最高傑作になるだろうと大きな期待が寄せられている『ホビット』シリーズ。ジャクソン監督が潰瘍を患い手術を受けるというハプニングがあったが、撮影は順調に進み、先月6月末、オーランドが登場する全シーンの撮影を無事に終えた。
オーランドがすべての撮影を終えた直後の29日、ジャクソン監督はYouTubeに「グッドバイ・オーランド」というタイトルの1分弱の動画を掲載した。
動画は、05年にネットで大流行した「They’re Taking the Hobbits to Isengard」の動画を、ジャクソン監督がタブレット端末で流し、オーランドがそれに合わせて歌うというもので、最後にこらえきれなくなったオーランドが大爆笑。ビデオは、『ゆきて帰りし物語』の撮影現場で撮られたもので、最後にスタッフたちがチラッと映し出される。
「They’re Taking the Hobbits to Isengard」は、05年8月にアーウィン・ビークフィールドというアーティストがアレンジし、フラッシュウェブサイト「アルビノブラックシープ」で発表したオモシロ動画。『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』でレゴラス(オーランド)がアラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)に対して言い放った名台詞、「ホビットをアイゼンガルドに運ぶ気だ!」を軽快な音楽に乗せてラップ風にアレンジした作品であり、そのユニークさが口コミで広まり、「アニメ版」「レゴ版」「人気ドラマ版」など、さまざまなバージョンが作られるほど大流行となった。「きみも、『They're Taking the Hobbits to Isengard』を作ろう!」というウェブサイトまで登場し、当時、YouTubeにはさまざまなバージョンの「They’re Taking the Hobbits to Isengard」であふれ返っていた。
今回、ジャクソン監督が公開した動画には、「オーランドと共に、『ホビット』シリーズ3作目で描かれる「五軍の合戦」のオークとの戦闘シーンを12時間立て続けに撮影した、なんとも素晴らしい日だったよ。撮影が終わり、我々はオーランドにさよならと言い、ビールを何杯か飲み交わし……どうしても、これをやらずにはいられなくなっちまったんだ!」という説明文がついており、製作者や役者たちの間でも、「They’e Taking the Hobbits to Isengard」は愛されていたことをうかがい知ることができる。
映画『シンパシー・フォー・デリシャス』(10)でロックバンドのボーカルを演じたことがあるオーランドは、「残念な歌声」「はっきりいって下手」「ロックだからオンチなのがごまかせている」と酷評されたことがある。「グッドバイ・オーランド」もだみ声っぽく聞こえ、「オンチ」という声も上がりそうだが、12時間通しで戦闘シーンを撮影し、お酒も入っているのだから仕方がないのかもしれない。
現場の楽しそうな雰囲気が伝わってくる「グッドバイ・オーランド」は、公開されてから24時間で再生回数70万回を突破。現在は700万回を超えており、ファンを大喜びさせている。「They’re Taking the Hobbits to Isengard」も再び人気が出てきており、再流行しそうな勢いだ。
『スマウグの荒らし場』の公開まであと半年、『ゆきて帰りし物語』の公開までは、あと1年半以上あるが、今回おふざけで撮った「グッドバイ・オーランド」は、映画の絶好のプロモーションとなったようである。
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