「ハード・ラッシュ」(公式サイト


マーク・ウォールバーグ主演のクライムサスペンス。

妻役にケイト・ベッキンセール、敵役にジョヴァンニ・リビーシなどクセのある役者達を揃え、スピード感あふれる演出で観客をあきさせない……けど、見終わっても爽快感がないのが残念な作品。まあ、おもしろいんだけどね。


目新しかったのは、貨物船の中の描写。普段見る機会がないから。

それからパナマの風景。これも滅多に見る機会がないから。

ビックリしたのは……ここからがネタバレになるので下がりま~す。



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唐突にジャクソン・ポロックの絵が出てきたこと!


そして笑っちゃったのはそれが超お高い値段の付いてる「名画」であることに、主人公以外誰も気づいてないってこと!!! ダメじゃん、あんた達! 


ポロックといえば「モネ・ゲーム」でも贋作を作っている真っ最中のシーンが出てきててここでも笑いをとるのに使われていたんですが、「ハード・ラッシュ」でもそれがポロックの作品だと気づいた人はそっから先ずっとくすくす笑いを噛み殺すことになります。知らない人は知らない人で、それはそれで胸のすくような結末が待っていることになるのかも。映画としてはどっちに転んでもおもしろいのかもしれません。


が!


哀れなのは映画の中でポロックを知らない人達ね。

ポロックの絵って一度でも見たことがあれば忘れないぐらい独創的なんですが、見てそれが「絵」だと知っていない限り、まず「絵」とは認識できないのも確か。とはいえ一般教養レベルの絵画ぐらいは知っておいた方が後々悔やまずにすむでしょうというのが本作の教訓なのでしょうか。或いは「名画」と言われて10億ドルの価値があるとされているような絵でも、美術館に展示されないまま放り出されていたら誰もその価値には気づかない……ってなことを伝えたかったのでしょうか。脚本家、展示されているポロックの絵画を見た時からずーっと「こんなの絵じゃないだろ」と思ってたんだろうな。映画の中とはいえ、ポロックの絵がどこかで雑巾代わりに使われて燃やされたりしなくてよかったです。


――と映画見た時に思ってたことを、この前の記事にアップしたニュースを見て思い出したのでした。


絵なんて価値は見る人によって違うもの。例え10億ドルの価値があるとされていても、罪を免れるためなら燃やしちゃったって惜しくもないのでしょう。そんな人の手に落ちちゃったのが不運だったのですが……ま、「ハード・ラッシュ」見たら納得できますけど、盗みを生業としてるような人達に絵画そのものに対する興味はないようなので、金に代えられないものなど無用の長物なのでしょうね。





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