山田洋次監督「小さいおうち」ベルリン映画祭コンペ部門に選出(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140116-00000018-eiga-movi


2月6日から開催される第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に、山田洋次監督の最新作「小さいおうち」(1月25日公開)が出品されることがわかった。「たそがれ清兵衛」(2003)から8作連続でベルリンに招かれている山田監督は、「なんとかして出席しなくては、と思っています」と現地入りに意欲をのぞかせている。

 カンヌ、ベネチアと並ぶ世界三大映画祭のベルリンと山田監督作の縁は深く、1989年「ダウンタウンヒーローズ」がコンペ部門に選出されたことを皮切りに、94年には「学校」がパノラマ部門に出品。03年「たそがれ清兵衛」が再びコンペ入りを果たして以降は、「小さいおうち」まで8作連続で招かれている。コンペ部門への出品は08年の「母べえ」以来6年ぶり5作目。10年には特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラを受賞している。

 「なぜか僕の作品はベルリン映画祭に縁がある、というよりベルリンにしか縁がないといった方がいいのかもしれません」と話す山田監督は、「昨年はベルリナーレ・スペシャルとして『東京家族』が選ばれましたが、その上映会の挨拶でぼくは次の作品は『小さいおうち』でこの作品もまたベルリン映画祭で上映されることを期待しています、などということを語ってしまいました。そしてそれが本当に実現したのです。嬉しくないわけがありません」と胸中を告白。渡航については現在調整中とのことだが、「長旅はつらい年齢になってしまいましたが、なんとかして出席しなくては、と思っています」と意向を示している。

 中島京子氏による第143回直木賞受賞作を映画化した「小さいおうち」は、昭和初期、ひそやかな恋愛事件に揺れ動くふたりの女性の運命と、その時に封印された秘密が、60年を経て1冊のノートから紐解かれていく物語。作品を見た映画祭関係者からは「ヨーロッパ映画のような、上品で、艶やかで、深い余韻が残る作品」との声があがり、映画祭ディレクターのディーター・コスリック氏は「山田洋次監督はベルリン国際映画祭の長年の友人であるだけでなく、世界の映画界における最も偉大な巨匠の一人。彼の映画は常に、人間について語ると同時に、見る者に日本の歴史について興味深い見識を与えてくれる」と話している。