「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」
見る前は地味そうな映画だな~と思ってたんですが、実際地味だったんですが、それでも面白い作品って作れるんだな~とすっかり感心してしまいました。
冒頭、身体の自由が上手くきかないようなお爺ちゃんがヨタヨタしつつもしっかり歩いてるんですよ。ここで歩いてるのが主演男優賞候補のブルース・ダーンなんですが、このお爺ちゃんが危なっかしくってもう目が離せなくて、それだけでスリリングなの! たった数分、数カット歩いているだけでもう観客の心を掴んで離さないんだから、そりゃすごいわ~と舌を巻きました。
このお爺ちゃんがなかなか困ったちゃんでね、家族はそれに巻き込まれて大変な目にあったりもするわけなんですが、それを一発で黙らせるのがお爺ちゃんの妻で息子達の母。これを演じたジューン・スキップを見た瞬間、惚れましたわ。ばーちゃん、かっこいい!!! って。この一言を言うまでの、お爺ちゃんとの人生の積み重ねが彼女の後ろに見えましたからね! こんな男性と結婚して、息子二人立派に育て上げるにはこの気の強さが必要だし、それを貫かなかったら今ここにこうしてはいないわ~、と。あれを見たら誰でも彼女を助演女優賞候補に推したくなりますって! 肝っ玉母さん、アメリカ中西部版!
内容についても、うん、人ってこうよね、みたいな描き方で、でも最後はほのぼのして、しかも快哉さえあげたくなるという、良い映画でした。
しかし登場人物にしめるじーさんの割合が異様に高かったな。そしてお爺様になってもブルース・ダーンはいい男なんだな、としっかり認識いたしましたわよ。ローラ・ダーンのお父様だもんね。