私は果物 派!
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子どもの頃は不思議でしたね。
「りんご狩り」や「ブドウ狩り」って言葉が。
りんごやブドウは果物だから「狩り」の「獲物」にはならないはずなのに、どうしてそんな風に言うのかしらって。
その場で取って食べるから「狩り」なのかとも思ったけれど、じゃあ「もみじ狩り」はどうなのよとますます疑問は深まるばかり。初めて行った時は紅葉した落ち葉をいっぱい拾わなきゃいけないのかと思ってて、見るだけでいいのだと分かった時は現地で胸を撫で下ろしたものでしたっけ。
なんででしょうね、「花」は「見」るのに「もみじ」は狩るのは。「桜狩り」とは言わないですよね? あ、そういえば「栗」は「拾い」ますね……。
それはさておき、秋になるとりんごにブドウになしと果物の「狩り」に行楽で出かけるのが子ども時代の楽しみでもありました。大人になった頃にはメロンやスイカの食べ放題なんてのもあったけど、「メロン狩り」や「スイカ狩り」とは言ったかどうか……。「スイカ割り」はしましたけどね。
近年ではビワやブルーベリーまで「狩り」の対象になっていて、果物狩りはかつてのように秋の風物詩ではなくなってしまいましたが、新鮮なもぎたてのフルーツを口にできる楽しみが年間通して味わえるのはありがたいもの。これが野菜で大根狩りとか人参狩りでは……そんなに嬉しくないです。イモ掘りならともかく。あ、北海道育ちの私にとっては「芋掘り」のイモは「ジャガイモ」です♪
その北海道出身の私に今でも忘れられない果物の味があります。子どもの時に食べて、こんなに美味しいもの食べたことないと感動したのは、お日さまをさんさんと浴びて実が割れるほどに熟した、もぎたてのさくらんぼ !
それは家族や友達と一緒に参加した行事で、札幌の周辺の山道を10キロぐらい、大人も子ども一日かけてただ歩くという催しだったんですが、6月か7月の暑い日で(といっても北海道なので湿度は低い)、お昼のお弁当を食べた後で眠いのと疲れを感じてきたのとで道半ばでかなりへばってた時のこと。
「さくらんぼがなってるよ!」
との声が前の方の人達から聞こえてきて、周りを見渡すと高い木の梢に赤や黄色のつやつやしたさくらんぼが鈴なりになってるのが見えるじゃないですか! 山道の途中に生えてる木ですから、野生のものなんですよね。
わ~、あれ、食べられたらいいのにな~、なんて思ってたら、道をそれた所からさくらんぼを手にして戻ってくる人達が何人もいるじゃないですか!
早速一緒に歩いていた友達とその人達がやってくる方へと駆けつけたら、木に登っている若い男の人が一生懸命さくらんぼをもいで、下にいる人達に分けてくれてるんです。私と友達はその場で「ちょうだいちょうだ~い」とピョンピョン跳びはねて叫んじゃいました。当時9歳か10歳だったので、食い気の前には何の遠慮もなかったもので……。
若い男性からさくらんぼを受け取っていたのは若い女性で、奥様か彼女さんかは分かりませんが二人揃って親切な人達で、騒ぐ私達にはいはいとばかり取り立てのさくらんぼをひとつかみ気軽にくれたんです。
その美味しかったこと!
夏の日射しを浴びてますのでぬるいんですよ、そのさくらんぼ。でも冷やしてすまして食べるさくらんぼよりもずっと美味しいんです。実が大きくて、幾つかは割れてるのもありましたが、とにかくさくらんぼの甘い汁がギュッとつまってて、口の中ではじけてとろけてジュースになるんです。洗ってもいないのに、そんなことがどうでもよくなるぐらいの美味しさで、さらに友達とぴょんぴょん跳びはねて「もっともっと~!」とせがんじゃいました。
できることならその木になってるさくらんぼを全部食べ尽くすまでその場に居たかったですよ。
でも次から次にそのさくらんぼを欲しがっている子ども達は来るし(大人は背伸びしたり自分で木に登ったりして自分でとれるんですよ)、木登りしている男性は汗を拭き吹きで大変そうだしで、子ども心にさすがに遠慮して何度もお礼を言いつつその場をあとにしました。「後ろ髪をひかれる思い」って、こういう時に使うのか、なんて思いながらね。
さくらんぼは甘くても酸味もあるので後から喉が渇くといくこともなく、そこからは足取りも軽くなってスキップ気分で残りの道を歩き通したことは言うまでもありません。
その時食べたさくらんぼが、自分史上一番の果物だったと今でも思ってます。
大人になってから高級な山形さんのさくらんぼもアメリカンチェリーもたくさん食べましたが、あの太陽をたっぷり浴びた野生のさくらんぼには到底及ばないってね。
もう二度とあの味には出会えないと思っていたんですが……
つい先日、再びあいまみえることができたのです!
さくらんぼそのままの形ではありませんでしたけれど♪
大橋さくらんぼ園のさくらんぼ
ジュース
形はジュースへと姿を変えても、味はお日さまをいっぱい浴びてプリプリに熟したとりたてのさくらんぼそのもの!
実際、ジュースというよりピューレに近いです、これ、濃厚で。そもそもさくらんぼってオレンジのようにジューシーなフルーツではないですから、実をそのままつぶした絞り汁ならこのぐらいの濃さになるのが道理というもの。
このグラス、赤ワイン用ですが、実はとても大きいのです。
写真を撮るために使ったのですが、飲んだ後、グラスの内側に残る分がとても多かったもので、あとから非常に残念な気分になりました。ビンから直接飲んでたら、この巨大なグラスの内側についた分を無駄にせずにすんだのにって。そんなごく僅かな分のジュースさえ、飲めないということがこんなに悔しいなんて!
もうこの悔しさを晴らすためには大橋さくらんぼ園に行くしかないですね!
大橋さくらんぼ園は北海道の芦別にあるんです。札幌とはちょっと離れているけど日帰りで行けるので、夏に帰ったらさくらんぼ狩りに行かなくっちゃ!
そう、ここでは7月上旬から8月下旬にかけて「さくらんぼ狩り」ができるんです。夢にまで見た自分が狩人になる「さくらんぼ狩り」ですよ。しかも木登りしないですむような高さに剪定されているそうなので、手を伸ばせばさくらんぼがもぎとれるんですね~~~。
ああ、自分の手でつみとってその場で食べるさくらんぼ……生涯の夢が実現する時が、もうすぐそこまで迫っているのね!
『さくらんぼ狩りガイドブック』
『大橋さくらんぼ園の理念』
『さくらんぼ品種カタログ』
『さくらんぼの商品カタログ』
『動画』
『アクセス』
実は「さくらんぼジュース」は非売品。
本当に美味しいものを作りあげるための、まだまだ開発途上にある試作品なんだそうです。
試作品でこれだけ美味しいなら、完成品はどうなるんでしょう???
いつかさくらんぼ狩りに行った時に完成品を飲めたら最高ですね!