中川翔子さん「アニメとは違う演じ方に苦労」 トランスフォーマー最新作の吹き替え版を担当(THE PAGE) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140813-00000017-wordleaf-movi


金属生命体が車からロボットに瞬時に変形する「トランスフォーマー」の映画シリーズ最新作「トランスフォーマー/ロストエイジ」(8月8日公開)。この作品では、歌手や声優、女優業など幅広く活動する中川翔子さんが実写版のハリウッド大作では自身初となる日本語吹き替えを担当した。「最近は映画づいていて幸せ」と話す中川さんに、トランスフォーマーの魅力や吹き替えの手ごたえについて聞いた。

 トランスフォーマーシリーズ4作目となる本作ではキャストが一新され、主演にマーク・ウォールバーグ、ヒロインには若手のニコラ・ペルツが抜てきされた。監督はこれまでと同様、マイケル・ベイ。舞台は、前作「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」から数年後の設定で、金属生命体オートボットのオプティマスプライムやバンブルビーも新デザインで登場する。

 中川さんが演じるのは、主演マーク・ウォールバーグ演じるケイドの一人娘テッサ。17歳少女の多感な役どころを「声」で表現した。

■宇宙規模の一大任務

 「今まで生きてきて色々なうれしいことやミラクルがたくさんあった中でも宇宙規模の一大任務。もう、ひっくり返りました」。ハリウッド大作のヒロイン役の声優に選ばれたことを、中川さんは独特の表現で喜ぶ。そして、同じく日本語吹き替えを担当した「塔の上のラプンツェル」と同じく「一生残る大役なので光栄の極み」と笑顔を見せた。

 この大役には「愛を持って挑まなければ」ということで、映画シリーズの三部作や過去のアニメシリーズも見返したところ、すっかりトランスフォーマーにはまってしまったという。ずっとクリアできないでいたファミコンソフト「トランスフォーマー コンボイの謎」に再挑戦したり、バンブルビーのモチーフとなった黄色いカマロの値段を調べたり、免許がほしくなったりして、今では「トランスフォーマー三昧」の毎日を送っている。

 振り返ってみると、中川さんはロボットアニメに縁があるという。それは亡くなった父もそうなのだという。中川さんの父、勝彦氏はアニメ『超力ロボ ガラット』で主人公役の声優だった。中川さん自身もアニメ『天元突破グレンラガン』で主題歌『空色デイズ』を歌い、その後の歌手活動につながった。「今回まさかのトランスフォーマーのヒロインで“見えないDNA”のミラクルに感謝しています。『ロボット親子』ってなかなかいなくて面白いですよね。父も天国で笑っているんじゃないかなって」。


■アニメとのギャップ

 中川さんといえば、これまで多くのアニメの声優を担当してきた。だが今回は洋画の実写版での17歳女性役。中川さんは演じる上で「外国人の10代の大人びている」部分が難しかったという。「テッサはティーンエイジャーですが私よりずっと大人。私は『オプティマス様!』『バンブルビーかわいい!』という風に脳が“小2”くらいなのに、彼女はすごくクールだから」と笑う。クールで大人っぽいテッサをイメージして普段より声を低くすることなどを意識した。

 アニメ特有の演じ方とのギャップもあった。監督からは「大げさではなくリアルに演じてください」と指導があったという。「アニメのくせがついてしまっているのか、セリフを言うときに息づかいを大げさに入れるところがあった。アニメでは普段の会話では言わないような調子で強調する傾向があるが、それを取り外す作業から始めました」。

 クールに見えるテッサだがそこは17歳。複雑に揺れ動く10代の心理を演じる難しさもあった。「ツンツンしているけど、お父さんに対して素直になれない気持ち、でも本当はお父さんのことが好きだよ、という気持ちがにじみ出るような、そういう部分を、微妙な声色で表現するのが難しかった」。ただ、「続編で出てくるとしたら、すっかり大人の“セクシー”テッサになっているのかな。今から「5」が楽しみ」と続編でのテッサの成長を楽しみにしている。

 こうした心理描写の一方で、「トランスフォーマというとヒロインがとんでもない目に合う」と中川さんが語るような激しいアクションシーンも数多くある。中川さんは、映画後半は「ほぼ叫びっぱなし」だったと振り返る。地上800メートルのシーンのアフレコもあり、「想像もできないようなシーンがたくさんあった。実際、私も高所恐怖症なので恐ろしいシーンだった」。前半に撮ったドラマシーンで声のテンションを抑えるのに苦労したそうだ。

 ハリウッド大作の「厳戒態勢のすごさ」を痛感したエピソードもある。テッサ役に選ばれるまでに声のテストが何回もあったが、その際の映像はテッサの顔以外、すべてモザイクがかかっていたという。「どういう風にセリフを言ったらいいのかわからない状況のまま、録音した」。ただ晴れて合格。「監督さんが最終的にOKのはんこを押したら本決まり。それまでに何段階も審査があった。これまでの人生にはない経験で、それほどの超大作なのだと身が引き締まりました」と語る。


■トランスフォーマーの魅力

 最後に、トランスフォーマーの魅力について聞いた。「もちろん見どころはオートボットのトランスフォーム。車からロボットに変形するなんて、こんなたぎることはない。他にも、アクションシーンや最先端CGなど、いろんな魅力があります」。

 ただ、一番は「心」を教えてくれることだと力を込める。「自分の命をかけて大切な存在を守る。それは人類にはなかなかできないこと。人類よりも熱い心を持っているのがオートボット、そしてオプティマス。過去のシリーズでも、オプティマスたちが何度も地球を助けてくれているのに、愚かな人類たちが地球から出ていけと言う。それが腹立たしくて。人間は欲が邪魔するが、本当に大切なものをオプティマスたちが命を懸けて教えてくれます。やっぱり熱いですよね、トランスフォーマー」。

 本作では、恐竜が“トランスフォーム”するという情報もあり、「これはヤバイ。ついにもってきたか、というモチーフ。これはたぎらざるをえない」と興奮を隠せない中川さん。オプティマスの声を担当し続ける玄田哲章さんの『私はオプティマスプライム』というセリフが聞けると思うと感激するという。しかし、本作は全体を通してまだ見ていないと明かす。「もったいないので、アクションシーンを含めて映画館で見ようと思っています」。

 そしてこうアピールする。「かつて人類が見たことがない超絶映像。脳に“ビッグバン”が起きます。ぜひ映画館で3Dで見てほしい。また吹き替え版、字幕版どちらも楽しんでいただけたらと思います」。

『トランスフォーマー/ロストエイジ』
3D/2D/IMAX3Dで上映中
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン