アイスバスケットチャレンジどう思う? ブログネタ:アイスバスケットチャレンジどう思う? 参加中
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正しくはアイスバケットチャレンジですが。バケットって、バケツのことね。第一ケットに氷水いれたら底から漏れるじゃん。かぶる前に辺り中水浸しになってるって。


それはさておき、日本人は無理にやらなくてもいいと思います、ALSアイスバケットッチャレンジ。


いろいろ動画を見てきたけれど、結局文化が違うんだなあとしみじみ思ったもん、「ALS Ice Bucket Challenge」。


もうね、日本人は無理に氷水かぶる必要ないと思います。かぶる前にあーだーこーだ言ったり、かぶらないことについてどーのこーの言いわけしたりするんじゃあ、台無しだもん。


かぶるんなら黙ってかぶれ、かぶらないなら黙って払え、ですよ。後者はピカード・艦長のサー・パトリック・スチュアートが大変美しく例を示してますが。氷水を頭からかぶりたくないのなら、言い訳せずに黙って寄付をすればいいんです。ちゃんとそういう仕組みになってます。金額だって100ドルなんだから、おおっぴらに指名されるような人なら払えない金額ではないはずだもの。


これは「チャレンジ」なんだから、指名されたら「やるか、やらないか」しかないんですよ。仮にどっちもやりたくないんだったら、無視すればいいだけの話。だって何の強制力もないんですから。


でも欧米のセレブ達が無視せず、反対にこぞって参加しているのは、それが笑えるから。ここで勘違いしてもらっては困るのは「氷水をかぶることが楽しくて笑える」のではなく、「氷水をぶっかけられた人の反応を見る」と笑えるということ。バナナの皮をうっかり踏んで滑って転んだ人を見たら笑っちゃうようにね。


そう、氷水を自分で被ったり、他人にかけてもらったりしている俳優さん達はみんなそのことがわかってる。自分が氷水をかぶっているシーンを見て世の中のたくさんの人が、ひょっとしたらALSを患っている人さえも、一時他のことを忘れて笑えるんだったら、やる価値はあるのだろうと。或いは水に濡れたTシャツに浮かび上がる肉体美に男女を問わず目を奪われることもあるかもしれないとね(あたしゃベネ様の大胸筋に鼻血でそうになりましたです)。


次々にYOUTUBEにアップされる動画を見ているとわかるじゃないですか。俳優の皆さん、どんどん工夫を凝らしていくことが。如何におもしろく、見た人に楽しんで貰えるように氷水を被るか。それで自分や自分の出演している作品の宣伝になれば一石二鳥。彼らはそれで御飯食べてるんだから、真剣にもなりますよ。


それが「ALS」という病気について世間に少しでも知って貰うため、というのは確かに形骸化しているかもしれません。でもそういう、いわば「大義名分」がなければ、誰もわざわざ氷水かぶるなんてイヤな事しようとさえ思わないと思うんですよね。人をしてその気にさせるきっかけとして「ALS」という病気は最も適切だったのかもしれません。そもそも「ALS」が何の略なのかも私知らないぐらいだし。


ただし、「ALS」がどういう病気かは知ってました。

かのスティーブン・ホーキング博士がかかっていた病気ですから。博士が車椅子に力なく身を預け、それでも合成音声発生装置を使って意思疎通をはかっている姿を見て、こんなひどい病気もこの世に存在するんだなあとしみじみ思ったものですから。


体の自由が徐々に奪われていく病気というのは幾つかありますが、「ALS」について知ったのは本当にホーキング博士の時が初めてだったと思います。


だから私としては「何で今更ALS?」という思いの方が最初強かったんだけど。


しかしホーキング博士が一世を風靡してからかれこれ四半世紀たっているわけで、そりゃ世代交代も進んでいるし、ここらでもう一度「ALS」が脚光を浴びるのもいい頃合いなのかと思ったわけです。最近はマイケル・J・フォックスが罹患してることもあって、パーキンソン病の方が世に知られている感じですもんね。何かそういう、「あっ、今までその病気のこと(知っていたはずなのに)うっかりして本当にごめんなさい!」的な一種の「ゆりもどし」も今回「ALSアイス・バケット・チャレンジ」をここまでのブームに押し上げた一翼を担っているのかもしれません。まあ、スマホとフェイスブックが席捲している時代の波に乗ったというのが一番の理由でしょうが。


最近のアメリカのドラマや映画を見ているとよくあるのが、何か事件があると皆すぐにスマホを取り出して録画を始めるってシーン。無論やってるのはほとんどが「若いコ」ですが(実年齢というより気持ちが)、動画を撮ったらすぐにアップロードするんですよ。「キック・アス」なんかだと、動画を撮ってアップするというのがもう日常感覚。ブログ書く代わり動画撮ってジャーナルにしてる感じ。


「ALSアイスバケットチャレンジ」も、最初はそういう感じで始まってるんですよね、きっと。内々で友達同士のノリで、悪ふざけとそう変わらないレベル。でも、不治の病で苦しんでいる人をその悪ふざけで一瞬でも笑わすことができればそれで充分と思っていたんじゃないでしょうかね。


大事なのは氷水をかぶることではなく、その様子を見せることで誰かに笑って貰うこと。それは最初は素人が体を張って行うコメディだったのです。


それが一旦ブームになったら、どんどんエスカレートしていくっていうのはこれまた火を見るよりも明らかだったわけですが。こういうのは大体、いつか誰かがその事故で死ぬまでエスカレートし続けるんですよね。


そういう意味ではブームの担い手がセレブになったのは、かえって安全性が高まってよかったんじゃないかと思います。彼らはまわりにスタッフもたくさんいるでしょうし、危険なことはしないか、或いは危険を承知の上で万全の準備をしてチャレンジをするでしょうから……たぶん。



しかしこの「ALSアイスバケットチャレンジ」、日本では少々受け取られ方が違っているのですよね。何か、ものすごく真剣な寄付集めのためのアクションと思われているようなフシがあって、その上で議論がなされているような……。そして日本お得意の根回しが行われ、しがらみを吟味した上で空気を読んでのチャレンジャー指名とか、或いは逆指名とか……ワケが分からなくなっております。


もうね、これ、ゲームなんだから。

「チャレンジ」された人は「やる」か「やらない」かスパッと決めて、潔く氷水かぶるか寄付をするかしないと、おもしろくもなんともないでしょ?


頭から氷水かぶるのはいやだけれどさりとて拒否したことで男(女)らしさを疑われるのもいやだし、かといって自分のよく知らないALSなんちゃらに寄付するのもいやだし、でもでも両方イヤだからってバックレたらいつマスコミに叩かれないとも限らないし……なんてこと考え出したら、いざ氷水かぶる段になっても絶対見てる人を楽しませようなんて気分になれないと思うんです。言い訳しながらいやいや氷水かぶる人見たって、こっちもおもしろくないし。


だから日本では「思うところあって、ALSチャレンジは指名されても辞退します」といった「ALSスルー」フラッグ、フェイスブックに立てといたらいいと思います。「一身上の都合」でもいいけど、「本人に理由があるんだから端から無理強いはできないよね」的文言で煙に巻いときゃいいんですよぉ。要は、このゲームには加わりたくないという意思表示がスマートにできてればいいわけで。


だから「ALS Ice Bucket Challenge」は静観してればいいと思います。わざわざ水をささなくても、じゃんじゃん氷水かぶってくれてるのですから。誰も風邪ひいたりしませんように!






【Spotlight】もしできることがあるなら、今やるべき。ALSアイスバケツチャレンジを肯定する理由


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