2度と観られないかもしれないMoMA所蔵の名作をフィルムで上映(ぴあ映画生活) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141022-00000007-piaeiga-movi


“MoMA”の通称で知られるモダンアートの殿堂“ニューヨーク近代美術館”が所蔵するのは絵画や彫刻といったアート作品だけではない。実は映画部門もある同ミュージアムのフィルム・コレクションは2万2000作品以上と世界最大級。この度、その貴重なフィルム・コレクションを目にできる特集上映が開催される。

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コミュニティシネマセンター、東京国立近代美術館フィルムセンター、東京国際映画祭、MPA、日本国際映画著作権協会の共催企画『MoMA ニューヨーク近代美術館映画コレクション』は、MoMAの膨大な映画アーカイヴから厳選した作品の数々をフィルムで上映する試み。実現した経緯をコミュニティシネマセンターの岩崎ゆう子事務局長はこう明かす。「ここ数年、映画は撮影及び上映方法もデジタル化が進み、フィルムでの上映が消えつつあります。ただ、これまで多くの作品がフィルムで保存され、デジタル化されているものはごく僅か。この現状を踏まえ、コミュニティシネマセンターでは“Fシネマ・プロジェクト”として、フィルム文化を伝え守ることに力を注ぐ活動をしてきました。今回はその活動の一環でようやく実現した企画です」

ラインナップを見ると今年生誕120周年を記念して『駅馬車』『静かなる男』のデジタル・リマスター版が上映され好評のジョン・フォード監督の初期作品『香も高きケンタッキー』や、そのフォードの盟友であるジョン・ウェインの初主演作『ビッグ・トレイル』などの映画史に名を残す作品がずらり。また、19歳の時、ウォルト・ディズニーが制作したアニメ『ニューマン劇場のお笑い漫画』やアンディ・ウォーホールが監督した『スクリーンテスト|アンディ・ウォーホールの最も美しい女性たち(4人版)』など、世界のカルチャー史においても貴重なフィルムも登場する。「作品の選定には悩みましたが、最終的には映画草創期の短編から映画史に輝く名作、そこにMoMAということで、例えばマーティン・スコセッシ監督が両親を撮影したドキュメンタリー『イタリアン・アメリカン』のような “ニューヨーク”がキーとなる作品も加わって、今までにない個性的なプログラムが組めたのではと思っています」

なお、10月26日(日)にはニューヨーク近代美術館映画部のケイティ・トレイナー氏の講演会も行われる。これだけのフィルムが集まることはめったにないこと。この機会に貴重な名画の数々をいまや希少となったフィルム上映で味わってほしい。

『MoMA ニューヨーク近代美術館映画コレクション』
開催:10月24日(金)~11月9日(日) ※10月27日及び11月3日は休館
開催場所:東京国立近代美術館フィルムセンター