このお正月、実は元旦の夜から二日にかけて「進撃の巨人」既刊15冊をイッキ読みして過ごしておりました。
いや~~~~~、おもしろかった!!
アニメの方は毎週見てたんですが、改めて原作読むと感動が新たになりますね!
ストーリーもいいんですが、それより何より、原作マンガの一コマ一コマの構図が愕然とするほどスゴイ! こ
んな構図で書かれたマンガって、私初めて見ましたよ!
人体が書けないとかキャラの顔が恐いとか絵が下手とかいろいろ言われてたらしいですが、そんな欠点を覆って余りある程の傑出した才能が、その構図! こんなのね、映画監督で言ったら「アバター」のキャメロンとか「ジュラシックパーク」のスピルバーグぐらいか「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンしか肩を並べる人、いないんですよ。これから3Dの時代になるなら、まさにこれこそが求められていた才能と言うべきでしょう。
アメリカだったら映画監督になるべき才能だったでしょうが、日本だから漫画家になったんだなあと思いましたわ。ストーリーだけなら作家or原作者もあったでしょうが、諫山創さんの類を見ない才能はその構図にこそありますからね。そしてその構図は対象のサイズの違いによる落差……つまり人間対巨人or恐竜、或いはホビットやドワーフ対人間orトロル……を生かしたシーンにおいて特にすぐれているのですよ。高低差をこれだけダイナミックにとらえられるって、一体どういう人なんだと、二次元でしか事象をとらえられない私は本気で羨ましく思いましたね!
で、その感動があまりに強かったもんで、そのまま映画館に行って「進撃の巨人 前編 ――紅の弓矢――」を見てしまいました。
そしたらこれはこれで本当に感心してしまったんですよ。
だって、テレビアニメの総集編だなんて思えないぐらい完成度が高かったんですもん!
私元々、このアニメシリーズの脚本を担当していた小林靖子さんって日本屈指の脚本家だろうと思っていて、シリーズ構成をやらせても右に出るものはいないと「ジョジョ」を見ても確信していたんですが、この劇場版を見てその念がますます強まりましたよ! だって、きちんと一つの作品としてまとまっていて、テレビシリーズの寄せ集め感なんてひとっつもありませんでしたから!
原作を読んだ直後というのもあるでしょうが、必要なシーンは全部入れ、必要じゃないシーンはばっさりカットして(これが難しいんですよ)、見事に一本の作品として仕上げられていたのには脱帽しました。編集も上手なんでしょうが、やはり脚本の力です、これは。
小林靖子さんこそアメリカに生まれていたら、今頃売れっ子脚本家として引く手数多だったに違いないのにと思いますよ。ハリウッドが引き抜きに来ないのが不思議なくらいです(言葉の壁のせいだとは思いますが)。
「進撃の巨人」って、とにかく突出した才能が結集している作品なのだと思った今年のお正月でした。