有楽町の旧「ニュー東宝」閉館へ 洋画全盛期支え58年(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150211-00000012-asahi-movi
東京都心の映画館の閉館が相次ぐ中、かつて「ニュー東宝」「ニュー東宝シネマ1」の名前で親しまれたTOHOシネマズ有楽座(397席、千代田区有楽町)が27日で閉館する。少年少女の淡い恋を描いた「小さな恋のメロディ」や、野良犬が活躍する「ベンジー」の大ヒットなど洋画全盛期を支えた名物館が姿を消す。
ニュー東宝は1957年、有楽町のニユートーキヨービル内に開館した東宝直営の洋画中心の封切館。2005年には、近くにあった大映画館「有楽座」の名前を冠してリニューアルしたが、入居する同ビルが閉鎖されることから閉館が決まった。
ニュー東宝の名前を一躍有名にしたのが、1971年公開の「小さな恋のメロディ」だ。当時の映画誌によると、女性層を中心に1カ月で15万人を動員する大ヒット。「支配人以下従業員は連日の超満員でクタクタ」とつづられている。
配給した日本ヘラルド映画の宣伝部長を務めた原正人さんは「小粒だけど個性豊かな良品を上映するのがニュー東宝。ヘラルドの作品にぴったりの映画館だった。何だか寂しいね」。
77年暮れには、喜劇の王様チャプリンの記録映画「放浪紳士チャーリー」を公開中に、チャプリンが亡くなり、話題になった。90年公開された「フィールド・オブ・ドリームス」もヒットを記録した。
東宝の興行部員として映画館の番組編成にも関わった高井英幸・前社長は「ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』など欧州の秀作あり、記録映画あり、アニメあり、大ヒット作の続映あり、何が飛び出すかわからないイメージの劇場でした。当時は番組編成上こういった劇場が必要だったのです」と58年の歴史をねぎらった。(斉藤勝寿)