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5月1日はシネコンで「セッション」と「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を見て、それから試写会で「ラン・オールナイト」を見たんですが、奇しくもこの3作全部がニューヨークが舞台だったもんで、何だか一本の映画を3回に分けて見たような妙な気分になってしまいました。NYは観光で行ったこともあるので、見覚えのある風景に出会えたような気がするんですよね。もっとも他のNYを舞台にした映画で見ただけという可能性も大いにあるんですが。ただこの3作がどれもおもしろかったので、ずーっと緊張の糸が途切れることなく映画を見続けていた気分になれたというのは大きかったと思います。


まず、「セッション」

アカデミー3部門受賞、他2部門ノミネート、どれも納得できるだけのすんごい作品。「イミテーション・ゲーム」がなければ脚色賞だってとってたかも。私「セッション」見てから「イミテーション・ゲーム」もう一度見ましたが、表現している世界の大きさの差で「イミテーション~」の方が優位だったんだろうとは思いましたが、個人の掘り下げとか鋭さとかでは「セッション」の方が上だったかも。あとはほとんど好みの問題というか、「イミテーション~」にも一つぐらいとらせておかないと……という気配りが働いたのもあったのでは……。要するに、甲乙つけがたかったのです。


まあ何がスゴイって、J・K・シモンズの演技。それにつきる。「セッション」の鬼教師の性格って、実は「スパイダーマン」の鬼編集長のそれと大差ないんだけど、より研ぎ澄まされていて、より激しい。あの鬼編集長が可愛く思える程ですもん。私、ラスト近くで、この鬼教師は悪魔の化身かと思ったもんね。


この鬼教師を演じるにあたりJ・K・シモンズは「鬼軍曹」的な役作りをし、それに合わせて威嚇的な身体作りも心がけ、見るだに恐ろしい上腕二頭筋の盛り上がりを印象づけてたのですが、実際の指揮者は上腕二頭筋、普通盛り上がりません。基本、持つのは片手に指揮棒だけなので。両腕を持ち上げ、動かし続ける背筋の方がもっこりしてるのがプロの指揮者です。まあ「セッション」の鬼教師はいつでも軽々と椅子を投げられるように日々ジムに通って鍛えていたのでしょう。


プロになるために何より必要なのは負けず嫌いの根性だということはよく分かりましたが、それでもこんな恐ろしい教師にしごかれたら、芽が出るものも出ないと思うわ。磨いて磨いて磨き抜いた挙げ句、すり減って穴があいたら何にもならんだろ、という話で。


それにしてもよくこのストーリーを一本の映画にまとめあげたな、という点にまず感心。音楽を演奏しているだけなのに、何故こんなにも恐ろしく、こんなにもドキドキするのか、というのもホントすごいです(だから編集賞なのよ)。このJ・K・シモンズが夢に出てきたらうなされそうだ。そこらのホラーの殺人鬼よりよっぽど恐いわ。


この行き詰まるサスペンスは絶対劇場で体験して欲しいですね。とにかく、おもしろいこと、間違いなし!



さて、「セッション」の張り詰めた糸のような緊張感に比べると、微妙にゆるかったのが「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」。どこまでが現実でどこからが現実でないのか、境界線が曖昧なままというのが観客を不安にさせ、チリチリした焦燥感にも似た(だからどっちがどっちよ?! と詰め寄りたくなるような)スリルをあおります。


ただ、これはコメディなので。

そのコメディのセンスが好きかどうかで評価が分かれるのではないかと。まあ、劇場で見てると結構笑っちゃいますけど。ワリと失笑に近い部分で笑いをとる作品なので、その日の気分に影響される面も大きいかもしれない。


主人公は主人公なりに一生懸命がんばってるのに、何故やることなすこと空回りしたり裏目に出たり……というパターンのコメディですが、うらぶれた姿のマイケル・キートンがもう、絶妙で絶品なのね。まるで自分自身の人生そのものではないかというストーリーがコメディ仕立てになっているのに、敢えてその自分を笑いものにするだけの懐の深さを見せつける演技には脱帽です。表には出さないものの、いろんな葛藤と激しい怒りを抱えているんだろうな……と観客がしまいにしみじみ彼の人生について考えてしまうような作品。


これ、舞台がブロードウェイなので、見たことのある劇場がたくさん出てきたのが個人的には楽しかったです。マイケル・キートンにはオスカーとらせてあげたかったな……。


で、これだけおもしろい作品を二つ続けて見たのに、それらを遙かにしのいでぶっちぎりでおもしろかったのが「ラン・オールナイト」。


これはもう、リーアム・ニーソンのアクションはこれ! こういうの! これじゃなきゃ!! 的な、まさに決定版ともいえる作品!!


「96時間」シリーズの我が子大好き命がけで守るぜパパの系譜と、「グレイ」や「フライトゲーム」のような喪失感を心に抱えた孤独な男の系譜が「ラン・オールナイト」で見事に一体化して花開いたって感じです。


命がけで守る相手が今度娘じゃなくて息子(とその一家)ですが、時間の猶予が一晩しかないので疾走感がハンパないです。もはや謎解きも何もなく、ただひたすら息子守って逃げるだけなんですが、反撃に出た時の的確さ、容赦なさはブライアン・ミルズそっくり。ただしブライアンほどのユーモア感覚には欠けるようで……。


で、敵役のエド・ハリス。文句無しの名演。この映画にぐっと深みを与えてくれてます。


いや、だってね、ストーリーなんて、単純なのよ。それがこんなにおもしろく、しかも胸に迫るなんてさ、リーアムとエドハリさんの演技の賜じゃん。あ。息子役のジョエル・キナマンも良かったですよ、今度は五体揃ってて。


「ラン・オールナイト」は5月16日公開なので、これも是非とも劇場でご覧下さい。「96時間 レクイエム」で煮え切らない思いを抱いた方は是非。見終わった後、間違いなくそのモヤモヤは晴れます。そしてリーアムお父様に惚れ直すでしょう!


夜のニューヨークのいろんなシーンも見物ですよ。「セッション」や「バードマン」で見るのとはまるで違ったNYを見ることができます。






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