『アベンジャーズ』J・ウェドン監督、マーベル愛を胸に「全て出し切った」勇退を示唆(クランクイン!) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150614-00037379-crankinn-movi
アクション巨編『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の監督・脚本を手掛けたジョス・ウェドンがインタビューに応じた。前作からメガホンを取り、大のマーベルコミックス・ファンを自負するウェドン監督だが、「わたしはこの作品に貢献できる全ての力を出し切った」と清々しい口調で語り、『アベンジャーズ』を含めたマーベル作品から勇退する考えを示唆した。
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本作は、ロバート・ダウニー・Jrが演じるアイアンマンをはじめ、キャプテン・アメリカ、ハルク、ソーなど、マーベルコミックスのキャラクターたちが一堂に会するアクション超大作第2弾。アイアンマンことトニー・スタークが完成させた人工知能“ウルトロン”の暴走を阻止するために、最強チーム“アベンジャーズ”が壮絶な闘いに挑んでいく。
マーベルのスーパースター夢の競演は、ファンにとってはまさに垂涎の企画だが、彼らを一つに束ね、映画として成立させる作業は並大抵の苦労ではないはずだ。ウェドン監督は、「確かに、あれだけのキャラクターがいて、複雑な要素も含んでいるので、編集が一番大変だった。アクションとドラマのバランスを考えながら、映画全体のトーン、リズムを作り出すのには苦労したね。ただ、プロットがしっかり固まっていたので、撮影自体はスムーズにいったよ」と振り返る。
とくに今回は、ダイナミックな戦闘バトルだけでなく、家族、姉弟、男と女、さらには人情とテクノロジーとの対比など、ヒューマニズムあふれる描写をたっぷりと盛り込んでいるだけに演出も細やか。「例えば、ホークアイ一家が暮らす農園にアベンジャーズの面々が身を寄せ合うシーンは、 “親密感”に溢れていてとても気に入っている」と述懐。さらに、「今回は役者たちの素晴らしい演技力が生きていて、そういった意味では「演技合戦」も楽しめる作品。彼らが一人一人、きちんとお互いを立てて、お互いをよりよく魅せようと高め合う姿勢が素晴らしかった」と俳優陣を絶賛した。
ところで、アメリカンコミックスは、日本の『漫画』に比べ、映画化に対してとても自由度が高く、プロデューサーや監督、脚本家たちの手にキャラクターが委ねられ、その世界観をどんどん広げていくところも魅力の一つ。とくにマーベルは、キャラクターの原作者スタン・リーがプロデューサーとして参加し、自ら映像化の一翼を担っている点も面白い。「スタンはとても熱意があって常に前向き。今回も、のびのびと自由にやらせていただいた」とリーの懐の広さを称賛。
その自由度が顕著に現れたのが、前作とは全く違う作品の奥行きの深さ。「単なる続編にしたくなかったので、さらにダークで、より重厚で、哀愁があって、時間軸もまったく違うものにした。指標にしたのは『ゴッドファーザーPART II』。あの映画は続編を超えた、1本の独立した作品だからね。ただ、わたしもマーベルとともに育ったファンの一人なので、スタンが作り上げた『真髄』だけは忘れなかったよ」と本作に込めた思いを明かした。
最後に、撮影時に起きた、とっておきのエピソードはないか? と尋ねてみると、即答で「ノー!」と返ってきた。「現場で何か面白いことが起こったら、それらは全て本編に残っているはず。だから秘蔵映像は一切ない、ぜひ劇場で観てほしい(笑)」とちゃっかり映画をPRしていた。(取材・文:坂田正樹)
映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は7月4日より全国公開。