「パージ」見て参りました。
イーサン・ホーク主演の映画は今年「6才のボクが、大人になるまで。」「プリデスティネーション」に続いて3本目なのですが、どれをとってもこの人は凄いな、としみじみ思いましたです。

イーサン・ホークといえば最高傑作は「ガタカ」だと思うのですが、でもその次が「プリデスティネーション」でさらにその次が「パージ」でもよくね? と思ってしまいました。彼は出演作が多いので他にも候補はたくさんあると思うのですが、とにかく、今見たものが彼のほぼ最高と思わせる演技力があるのですよ、彼には。

カメレオン役者である彼のこと、一言で表現するのはとても難しいのですが、恐らく「最後に本来の自分自身に戻る人」を演じて最高なのだと思います。何らかの理由で長く自分自身を偽っていても、映画のクライマックスではその役の本来の姿を見せる、みたいな。

「パージ」においても、だから一番いいシーンは彼が本来の自分に立ち返るところだったのですね。これは、イーサンを起用してこその感動シーンで、だからこの作品が独立系なのにヒットしたのではないかと思います。続編できたくらいだし。

ストーリーは、例えばジョン・カーペンターの「要塞警察」であるとかそのリメイクの「アサルト13」(実はこれもイーサン主演。でもつまんなかった)とか、コンセプト自体は昔からあるものなんですよね。ただそれをアメリカのごくごく近未来にもってきたのが非常に効果的だったのだと思います。敵がゾンビとか火星人の魂とか得体の知れないものじゃなく、普通に生活しているアメリカ人のご近所さんというのがミソなんですよ。

でもその中で、イーサン・ホークがその他大勢=襲ってくる側の人々とは違うんだと、一線を画すシーンがやっぱりこの映画の中の白眉なんですよ。イーサン・ホークがいるからこそ、この映画ははその他のありがちな作品と一線を画しているのです。

あ、イーサンの妻役のレナ・へディもよかったですよ♪ テレビシリーズ「ターミネーター サラ・コナー クロニクルズ」のサラ・コナー♪ でもって「ゲーム・オブ・スローンズ」では稀代の悪女、サーセイ。そのサーセイのの面影を消すためか黒髪のボブスタイルで最初はしおらしい専業主婦としての登場でしたが、そりゃあやっぱりレナ姐さんですもん、最後には拍手喝采でした♪

そうそう、タイトルの「パージ」は「浄化」という意味なんですが、映画での使われ方がかつて「オウム真理教」が事件を起こした時に言ってた「ポア」とほとんど同じだな、と思ったことです。