エディーHC、劇勝は序章「まだ終わっていない。ベスト8が目標」(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150921-00000005-sanspo-spo


ラグビー・イングランドW杯1次リーグB組(19日、日本34-32南アフリカ、ブライトン)「エディー・チルドレン」が歴史を塗り替えた。2012年に就任した豪州出身の指揮官、エディー・ジョーンズHC(55)は猛練習でチームを強化。“日本式”の配慮も交え、選手を意識改革した。また、日本の攻撃をテンポ抜群のパスで支えたSH田中史朗(30)=パナソニック=がマン・オブ・ザ・マッチ(最優秀選手)に選出された。南半球が主戦場のスーパーラグビー(SR)で優勝メンバーとなった実力を世界に証明した。

 グラウンドで躍動した選手を見つめる目は、まるで父親のようだった。

 「正直、ここまでくるとは思わなかった。選手は、本当に努力してくれた」

 ジョーンズHCは2012年の就任後、独特の手法でチームを強化した。「世界との差を埋めるためには練習しかない」と選手を長期拘束し、夜明けから3部に分けた猛練習で鍛え上げた。所属チームでの練習量を上回るメニューをHC自身、「南アフリカや豪州の選手では絶対に耐えられない」と自らが指導に携わった強豪の名を挙げて表現した。

 6月には、1週間ごとにW杯での対戦相手を想定した練習を行ったが、その後の大半を打倒・南アに絞った。番狂わせの少ないラグビーで世界3位に勝つのは容易なことではない。英国入り後は南アフリカの分析に時間を費やし、トレーニング部屋の壁には相手選手のデータを張った。勝利を願望から具体的な目標に変えていった。

 練習では小型無人機の「ドローン」で上空から撮影し、チームの動きを分析するハイテクを使うかと思えば、前日練習前には選手たちにHCが作成を指示した4分間の映像を見せた。代表入りを逃した選手とともに汗を流した4年間の練習風景で、勝利への執念を確かなものにした。南ア戦でも後半投入したNO・8マフィが前進力で勢いをつけ、後半38分に投入したWTBヘスケスが決勝トライ。細心の采配が快挙に結びついた。

 スコットランドとの次戦は中3日。相手は初戦で体力があり、疲労が残る日本とは対照的だが、「まだ終わっていない。ベスト8が目標。目の前にはスコットランド戦がある。きょうのように、観客が味方になってくれれば」と口を結んだ。