チリ鉱山事故の救出劇をA・バンデラス主演で実写映画化「THE 33」は2016年公開決定!(映画.com) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151013-00000002-eiga-movi


2010年にチリのサンホセ鉱山で起きた落盤事故を題材にした映画「THE 33(原題)」が、2016年に公開されることが決定した。世界中が固唾をのんで見守った、33人の男たちの救出劇の全容がスクリーンで描かれる。

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 10年10月13日。事故発生から69日目、地下700メートルで生き埋めになってしまった33人の鉱山作業員たちが、1人の犠牲者も出すことなく救出された。映画では、地中深くに閉じ込められた男たちの“生きる”という強い意志、地上であきらめずに努力を続けた人々の勇気と葛藤(かっとう)、そして厳しい状況下においても明るくユーモアを忘れないチリ人の国民性を描き出す。

 奇跡の救出劇の実写映画化に国際色豊かな才能が集結した。スペイン出身のアントニオ・バンデラスが、どんな極限状態でもユーモアを忘れず心の広いマリオ・セプルベダを熱演。フランス出身のオスカー女優ジュリエット・ビノシュは作業員の姉で、弟たちの救出を粘り強く訴え続けたマリア、ブラジル俳優のロドリゴ・サントロは、地上で現場の指揮を執ったロレンス・ゴルボルン鉱山大臣役を演じる。そのほか、米俳優ボブ・ガントン、アイルランド俳優ガブリエル・バーンらが、地上でも繰り広げられるドラマを織り成していく。

 主演を務めるバンデラスは、「5年前、私を含めた何百万人もの人がこの事故にくぎ付けになった」と述懐。「映画では全てを描くことはできないが、チリ人の協力性と団結力を忠実に伝えなければならないと思っている」と使命感をにじませ、「マスク・オブ・ゾロは実在するヒーローではない。でも、チリの鉱山作業員は実在するヒーローだ。そしてその仲間たちも実在する。そのことを私はこの映画で伝えたいと思っているのです」と弁を振るった。

 一方でセプルベタ氏本人は、「今回の救出劇は、妻と家族や友人たちの努力と報道機関が起こした奇跡だ。私は地上にいる人たちの映像を見るたびに、今でも涙が止まらない。昼間はとても暑く、夜はとても寒い砂漠で苦しんでいた家族のことを思い出すんだ」と語る。そして、「この奇跡が映画化されるということは、チリ人のチームワーク、特に逆境での団結力を全世界に伝えることができる。本当に夢のようだよ」とコメントを寄せた。

 激しい争奪戦の末、映画化権を獲得したのは、「ブラック・スワン」のプロデューサー、マイク・メダボイ。「モーターサイクル・ダイアリーズ」の脚本家ホセ・リベーラが綿密な取材のもと原案を構築し、「ダラス・バイヤーズクラブ」のクレイグ・ボーテンが脚本を手がけた。音楽は先日飛行機事故により他界したジェームズ・ホーナーさんが手がけ、視覚効果をアレックス・ヘニング&ベン・グロスマン(「ヒューゴの不思議な発明」)が監修するなど、ハリウッドトップクラスのスタッフたちが顔をそろえた。

 メキシコ出身の女性監督パトリシア・リゲンがメガホンをとった本作では、鉱山作業員たちとその家族、レスキュー隊員の全面協力を得ており、実際の事故現場からわずか数キロメートルのアタカマ砂漠のほか、コロンビア中央部に位置する鉱山2カか所の地下深くで撮影を敢行。チリでは、8月6日に公開され、映画ランキング初登場第1位を記録し、チリの映画のオープニング興行成績としては歴代2位という記録的大ヒットを成し遂げている。